すきっ歯の矯正治療- 費用と期間、そしてクリニック選びのポイント

こんにちは。東京都港区にあるピュアリオ歯科・矯正歯科スタッフです。

すきっ歯は、歯と歯の間に隙間ができるため、食べ物が詰まりやすくなるだけでなく、笑顔に自信を持てなくなる方も多いかもしれません。

本記事では、すきっ歯でお悩みの方に向けて、その原因や矯正方法について解説します。

すきっ歯とは

すきっ歯とは、自然な状態で歯と歯の間に隙間ができてしまっている状態を指します。むし歯や重度の歯周病で奥歯を失った場合、前歯が広がってすきっ歯になるケースもよく見られます。

すきっ歯には、前歯の真ん中に隙間ができる「正中離開(せいちゅうりかい)」と、全体的に隙間ができる「空隙歯列(くうげきしれつ)」の2種類があります。

正中離開(せいちゅうりかい)

正中離開とは、上顎前歯の中央部分、つまり前歯の間に隙間ができる状態を指します。これは、乳歯が残っていたり、上唇小帯(唇の内側の組織)が発達しすぎていることが原因となる場合があります。また、歯のサイズが小さい場合や、歯槽骨の成長が不十分な場合にも見られます。

空隙歯列(くうげきしれつ)

空隙歯列とは、全体的に歯と歯の間に隙間がある状態を指します。原因としては、顎のサイズが大きすぎる場合や、歯のサイズが小さい場合が挙げられます。また、歯の数が少ないことや、歯列が不規則に並んでいることも要因となります。見た目の問題だけでなく、食べ物が挟まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まることもあります。

すきっ歯になっている方は、自分の姿や他人に与える印象を気にされることが多いです。また、発音の問題も気になる方がいらっしゃいます。

当院のすきっ歯の症例はこちら

すきっ歯の原因とは

1. 歯の数が少ない

通常より歯の本数が少ない方は、すきっ歯になりやすい傾向があります。歯が生えるはずのスペースに歯がない場合、その部分に隙間が生じてすきっ歯となることがあります。

歯の数が多い

逆に、通常より歯の本数が多い場合でも、すきっ歯が生じることがあります。例えば、過剰歯が上の前歯の間にある場合、過剰歯によって前歯に隙間ができることがあります。

上唇小帯の異常

上の前歯の真ん中に隙間ができる「正中離開」は、上唇小帯(唇の内側の筋)が通常より低い位置に付着している場合に起こります。成長に伴い、上唇小帯の位置が変わることで、自然に隙間が閉じることもあります。

加齢やむし歯

加齢が原因で歯茎が下がると、歯の根元が露出し、歯と歯の間に隙間ができてすきっ歯になることがあります。また、むし歯や歯周病で歯を失うと、その部分が空いてすきっ歯になることがあります。

クセや習慣

指しゃぶり、唇を噛む、舌で歯を押すといった習慣や、食生活の偏りなどもすきっ歯の原因になります。特に乳歯の段階でのすきっ歯が気になる場合は、早めに歯科医院で相談することが重要です。

すきっ歯を放置しておくとどうなる?

1. 虫歯・歯周病のリスクが高まる

すきっ歯は、歯と歯の間に食べ物が挟まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。特に仕上げ磨きを怠ると、歯の隙間にプラークが溜まり、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。

食べづらくなる

すきっ歯は、食べ物を噛み切るのが難しくなり、食事に支障をきたすことがあります。また、十分に噛めないことで胃腸に負担がかかる可能性もあります。

滑舌が悪くなる

すきっ歯は息漏れの原因となり、「サ」行や「タ」行の発音がしづらくなることがあります。発音のしづらさは、日本語だけでなく英語など他の言語にも影響を与えることがあります。

見た目に対するコンプレックス

すきっ歯の見た目が原因でコンプレックスを感じる方も多く、その結果、人間関係や自己評価に悪影響を及ぼす可能性があります。

すきっ歯を矯正する2つの方法

1. すきっ歯の全体矯正

全体矯正は、歯全体を動かして噛み合わせや見た目を改善する矯正方法です。大きく分けて「ワイヤー矯正(表側・裏側)」と「マウスピース矯正」の2種類があります。

ワイヤー矯正(表側)によるすきっ歯の矯正

施術内容

歯の表側にブラケットを取り付け、そこにワイヤーを通すことで、すきっ歯を改善する矯正方法です。

メリット
  • 軽度から重度まで、さまざまなすきっ歯に対応可能
  • 多くの治療症例があり、信頼性が高い
  • 舌に干渉しないため、発音や咀嚼への影響が少ない
  • すきっ歯と噛み合わせの問題を同時に治療可能
  • ワイヤー矯正(裏側)と比較して費用が抑えられる
デメリット
  • 矯正器具が見えやすく、目立つことがある
  • 器具によって唇が突出することがある
  • 矯正器具が取り外せないため、虫歯や歯周病のリスクが高まる
  • 器具の調整や修理は医師に依存し、外れた場合は自力で対応できない
  • 金属部分が原因で口内炎が発生する可能性がある
  • おおよそ3~4週間ごとに通院が必要

ワイヤー矯正(裏側)によるすきっ歯の矯正

施術内容

歯の裏側にブラケットを装着し、ワイヤーを通してすきっ歯を矯正する方法です。

メリット
  • 軽度から重度まで、幅広いすきっ歯に対応可能
  • 矯正器具が見えにくいため、審美的な面で優れている
  • 歯の表面を保護し、清潔に保ちやすい
  • すきっ歯の治療と同時にホワイトニングを行うことが可能
  • 舌の悪癖(舌で前歯を押す癖)の改善に役立つ
デメリット
  • 噛み合わせが深い場合、この矯正方法が適用できないことがある
  • 硬いものや粘り気のある食べ物を食べる際には注意が必要
  • 矯正器具が取り外せないため、虫歯や歯周病のリスクが高まる
  • 金属部分が原因で口内炎が発生することがある
  • おおよそ3~4週間ごとに定期的な通院が必要

マウスピース矯正(インビザライン)によるすきっ歯の矯正

施術内容

透明なマウスピースを使用して、すきっ歯を含む歯全体を段階的に矯正する方法です。

メリット
  • 矯正中であることがほとんど目立たない
  • マウスピースを使った段階的な矯正で、違和感や痛みが少ない
  • 光学スキャナーで1回の型取りが可能で、手間がかからない
  • 取り外しができ、清潔を保ちやすいため、虫歯のリスクが低い
  • ホワイトニングを同時に行うことが可能
  • 高い予測精度があり、矯正後の仕上がりをイメージしやすい
デメリット
  • ワイヤー矯正よりも治療期間が長くなることがある
  • 後戻りが起こりやすい場合がある
  • 20時間以上の装着が必要で、自己管理が求められる
  • 歯並びや骨格の状態によっては適用が難しい場合がある
  • 専門知識と豊富な経験を持つドクターでないと、失敗のリスクが高まる
  • 歯周病の進行がある人や、多数のインプラントがある人には適さないことがある

2. すきっ歯の部分矯正

部分矯正は、歯並びや噛み合わせの気になる一部分の歯だけを動かす矯正方法です。部分矯正には、「ワイヤー矯正」と「マウスピース矯正」があり、それぞれ特徴があります。

マウスピース矯正(インビザラインGo)による前歯部分のすきっ歯矯正

施術内容: 透明なマウスピースを使用して、前歯部分にあるすきっ歯を矯正する方法です。

メリット
  • 軽度のすきっ歯治療に最適
  • 3D治療計画により、すきっ歯が埋まる過程を事前に確認できる
  • 高い予測精度のある治療で、装着時間を守れば計画通りに進行
  • マウスピースを一度にまとめて受け取れるため、通院回数が少ない
  • 取り外し可能でお手入れがしやすく、虫歯や歯周病のリスクが低い
  • ホワイトニングを同時に行うことが可能
デメリット
  • 軽度でないすきっ歯には対応できない
  • 噛み合わせや全体的な歯列に問題がある場合は適用できない
  • 自己管理での装着が徹底されないと、治療計画が崩れる可能性がある
  • インビザラインGoを取り扱っている医院が限られている
  • 歯周病がある人や、多数のインプラントがある人には適さないことがある
  • 1~2週間ごとに自分でマウスピースを交換する必要があり、忘れないよう注意が必要

格安マウスピース矯正によるすきっ歯の矯正

施術内容: 前歯12本を対象に、透明なマウスピースを使用して前歯部分のすきっ歯を矯正する方法です。

メリット
  • 前歯のみの矯正が可能で、軽度のすきっ歯治療に適している
  • 治療期間が短く、患者の負担が少ない
  • 初回費用が約2万円から始められるため、経済的
  • ホワイトニングとの併用が可能
  • 金属アレルギーのある方やスポーツをする方でも治療可能
  • 目立たず、食事や歯磨きの際に取り外せるため、生活に支障が少ない
デメリット
  • 歯列全体や噛み合わせの問題には対応できない
  • 20時間以上の装着が必要で、自己管理が求められる
  • 歯周病が進行している方や、多数のインプラントがある方には適さない場合がある
  • 治療が完了するまでの総費用や期間が事前に明確でないことがある

関連記事:インビザライン Goについて

すきっ歯矯正治療の費用と期間

すきっ歯の矯正を検討する際、全体矯正と部分矯正のどちらを選ぶかは、費用や期間に大きな影響を与えます。ここでは、全体矯正と部分矯正の違いを、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の観点から解説します。

1. 全体矯正の費用と期間

全体矯正は、すべての歯を動かして理想的な歯並びに整える治療法です。すきっ歯の矯正を含め、全体的な歯列の改善に効果的です。

ワイヤー矯正の場合

ワイヤー矯正は、ブラケットとワイヤーを使用して歯全体を動かす伝統的な方法です。費用は一般的に60万円~120万円以上かかり、矯正の複雑さや使用する素材によっても異なります。

治療期間は2年~5年ほどかかることが多く、症例やクリニックの治療方針によっても変動します。

ワイヤー矯正は歯を少しずつ動かすため、マウスピース矯正と比べて治療期間が長くなる傾向があります。また、毎月の調整のために定期的な通院が必要で、その際に調整費が発生します。仮に5年間通院し、毎月5,000円の調整費がかかる場合、5,000円×12ヶ月×5年=30万円が追加でかかることになります。

結果的に、治療期間と費用の面では、マウスピース矯正と比較すると長期間で高になる傾向があります。

マウスピース矯正の場合

一方、マウスピースを使った全体矯正は、透明なマウスピースを使用して歯を動かす方法です。費用は70万円~で、ワイヤー矯正と比較するとややリーズナブルです。

さらに、定期的な通院が不要なケースも多く、トータルコストを抑えられる点がメリットです。治療期間は1年~で、ワイヤー矯正よりも早期に主訴(患者の主な悩み)を改善できることがあります。

ただし、クリニックによって技術や経験に差があるため、どのクリニックで治療を受けても同じ結果が得られるわけではない点に注意が必要です。そのため、クリニック選びは非常に重要です。

部分矯正の費用と期間

部分矯正は、特定の歯や歯列の一部を矯正する方法で、すきっ歯をピンポイントで治療する際に用いられます。

ワイヤー矯正の場合

ワイヤーを使用した部分矯正は、治療範囲が限られているため、費用は~50万円程度と、全体矯正に比べて低めです。

治療期間も比較的短く、3ヶ月~1年半程度です。
ただし、治療範囲が限られているため、全体の歯列や噛み合わせに影響を及ぼさないよう、慎重に計画する必要があります。

マウスピース矯正の場合

マウスピースを使用した部分矯正は、前歯のすきっ歯や軽度の不正咬合に特化しています。費用は30万円~程度で、ワイヤー矯正と同様の範囲です。治療期間は3ヶ月~程度で、部分矯正であるため全体矯正に比べて短期間で治療が完了することが多いです。

また、マウスピースは取り外しができるため、生活の中での利便性が高い点が特徴です。

どちらが良いか?

全体矯正と部分矯正のいずれにおいても、ワイヤー矯正とマウスピース矯正の治療期間に大きな差はありません。しかし、マウスピース矯正は目立たず、取り外し可能で清潔に保ちやすいなどのメリットがあり、多くの患者にとって魅力的です。ただし、マウスピース矯正は比較的新しい治療法であり、全てのクリニックで同じ結果が得られるわけではありません。クリニック選びには十分な注意が必要です。信頼できるクリニックを選ぶことで、より良い結果が期待できます。

すきっ歯矯正治療の費用内訳

すきっ歯の矯正治療を検討する際、総額としてかかる費用だけでなく、その内訳を理解しておくことが重要です。治療費用は、診断や装置、定期メンテナンスにかかる費用など、複数の項目に分かれています。ここでは、すきっ歯矯正治療における主な費用の内訳を説明します。

初診料・カウンセリング料

まず、矯正治療を始める前に、初診料やカウンセリング料がかかります。ここでは、患者様の歯並びや噛み合わせの状態を確認し、どのような治療が必要かを診断します。また、治療の流れや費用、期間について説明されます。カウンセリングが無料のクリニックもありますが、一般的には5,000円~1万円程度の費用がかかることが多いです。

ちなみに、ピュアリオ歯科・矯正歯科では、LINE通話やZoomによる無料オンラインカウンセリングを実施しています。お気軽にお問い合わせください。オンラインカウンセリングの詳細はこちらです。

検査料・診断料

初診後、具体的な治療計画を立てるために、精密な検査が行われます。レントゲン撮影や歯型の採取、写真撮影などを通して、患者様の口腔内の状態を詳しく分析します。この検査と診断には、2万円5万円程度の費用がかかります。この段階で、治療計画と見積もりが提示され、患者様と相談のうえで最終的な治療方針が決まります。

矯正装置料

すきっ歯矯正の中心となるのが矯正装置の費用です。ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーなどの費用がかかります。マウスピース矯正の場合、患者様専用に作られる透明なマウスピースの費用がかかります。どちらの方法を選ぶかによって、費用は大きく異なります。

調整費・メンテナンス料

矯正治療中には、定期的な調整やメンテナンスが必要です。ワイヤー矯正の場合、毎月の調整費が発生し、1回あたり5,0001万円程度が一般的です。マウスピース矯正の場合は、定期的な通院が必要ない場合もありますが、場合によってはメンテナンス費用がかかることがあります。

保定装置料

矯正治療が完了した後、歯が元の位置に戻らないように保定装置(リテーナー)を装着する必要があります。保定装置の費用は2万円5万円程度です。保定装置の使用期間は通常12程度ですが、その後も定期的なチェックが推奨されることが多いです。

その他の費用

場合によっては、抜歯や追加の処置が必要となることがあります。この場合、追加費用が発生することがあるため、事前に確認しておくことが重要です。また、クリニックによっては分割払いが可能な場合もありますので、費用負担を軽減するために支払いプランについても相談してみると良いでしょう。

まとめ

すきっ歯の矯正治療は、全体矯正や部分矯正、ワイヤー矯正やマウスピース矯正といったさまざまな方法があり、それぞれに費用や治療期間が異なります。

どの方法が最適かは、患者様の口腔内の状態や生活スタイルに合わせて選ぶことが大切です。
また、クリニックの技術や経験も結果に大きく影響するため、信頼できるクリニックを選ぶことが成功の鍵となります。

ピュアリオ歯科・矯正歯科では、患者様一人ひとりに最適な治療法をご提案し、丁寧なカウンセリングを行っています。すきっ歯でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

監修歯科医師

インビザライン ブラックダイヤモンドドクター インビザライン・ジャパン株式会社(旧アライン・テクノロジー社)認定 医療法人社団ピュアスマイル 理事長

湊 寛明

私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任 日本矯正歯科学会日本成人矯正歯科学会/日本舌側矯正歯科学会/世界舌側矯正歯科学会/ヨーロッパ舌側矯正歯科学会/国際インプラント学会/日本口腔インプラント学会/日本歯科審美学会/日本歯周病学会/日本臨床歯周病学会/日本補綴歯科学会/日本口腔外科学会/日本アンチエイジング歯科学会

ご挨拶

誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。

歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。

医療法人社団ピュアスマイル 理事長 湊 寛明