子供のインビザライン費用|マウスピース矯正の目安・相場や保険適応・支払い方法について

インビザラインのマウスピース矯正は、小児も対象となります。2019年3月に日本で販売が開始されたインビザライン・ファーストは、一般的に6~10歳の小学生のお子様向けの製品です。

小児の場合、まだ永久歯が生えそろっていない成長期に歯並びを整えられます。重要なポイントは、「全ての永久歯がしっかり生えうるスペースを確保すること」です。そういったお子様の特性に合わせた治療方法や、アタッチメントを活用し、美しい口元を実現できるのがインビザライン・ファーストの大きな特徴です。

当院では、永久歯が生えそろっていない状態ではインビザライン矯正を行わないのですが、本記事では、一般的な子ども用インビザラインの特徴や費用について解説します。

1. 子供のインビザライン矯正(マウスピース矯正)費用の相場・目安

お子さんでもマウスピース矯正ができるのかどうか、気になる方も多いでしょう。ここでは、インビザライン・ファーストの概要や、費用の相場について解説します。

1-1. インビザライン・ファーストとは?

乳歯と永久歯が混在する混合歯列期の小学生のお子様を対象としたマウスピースが、インビザライン・ファーストです。一般的な子供の歯列矯正では、「顎を広げて歯が並ぶスペースの確保」と「歯を移動させて綺麗に並べること」は、別々に行います。

インビザライン・ファーストの最大の特徴は、「顎を広げること」と「歯を綺麗に並べること」を同時にできることです。この点が、従来の小児矯正治療との一番大きな違いです。

またマウスピースは透明で軽く目立ちにくいので、お子さんが学校にいる時でも、周囲に気づかれにくいのも嬉しいポイントです。食事や歯磨きの時は取り外せるので、口内を清潔に保つことも安心です。

1-2. インビザライン・ファーストの費用の相場・目安

「子どもの歯の矯正を考えているのだけど、いくらぐらいかかるの?」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。

インビザライン・ファーストの矯正治療の費用相場は、450,000~800,000円です。ただし、追加費用が発生するケースがあります。追加の費用が発生するかどうかは、歯科医院によって異なります。ここでは、費用が追加になる可能性があるパターンを解説します。

<h4>1-2-1. 治療計画の想定より期間が延びた</h4>

インビザライン・ファーストで歯列矯正をする場合、必ず治療開始前に治療期間を予測します。そして、総額費用なども算出します。ただし予定していた期間内に治療が終了しなかった場合、追加の費用が発生する可能性があります。この場合、通院費用だけでなく、マウスピースの追加費用がかかる場合もあります。事前にどのような場合にどんな費用が追加になるのかチェックしておきましょう。

<h4>1-2-2. マウスピースやリテーナーの破損・紛失</h4>

追加費用がかかる治療期間が長くなる背景の一つに、マウスピースやリテーナーの破損・紛失があります。例えばインビザライン・ファーストのマウスピースは、薄いプラスチックでできています。このマウスピースに強い圧力がかかった場合、破損する可能性があります。また外食の食事時にマウスピースをはずした時に置き忘れたり、家の中でもゴミと一緒に捨ててしまうといったミスがあります。例えば保管場所を設定したり、専用のケースで保管するといった対策を必ずするようにしましょう。

1-2-3. 虫歯や歯周病が原因で治療期間が長くなる

インビザライン・ファーストのマウスピースは、取り外せるので、ブラッシングには影響ありません。ただし矯正していない場合と比べると、唾液の作用が低下するのは事実です。これは、歯とマウスピースが長時間密着していることによるものです。唾液の作用が低下すると、汚れを洗い流す力や細菌の増殖を抑える力が低下してしまうのです。そういった背景があり、虫歯や歯周病になりやすい傾向があります。

万が一虫歯や歯周病になったら、矯正治療を中断するのが一般的です。そして虫歯・歯周病の治療を行うので、治療期間が延びます。例えば虫歯治療の一環として歯を削った場合、マウスピースが合わなくなり、再度作成することもあります。

2. 子供のインビザライン矯正費用内訳と保険適応について

ここでは、インビザライン・ファーストの矯正費用の内訳と保険の適用について、解説します。

2-1. カウンセリング

インビザライン・ファーストでの矯正治療をスタートする前に、カウンセリングを実施します。カウンセリングではシミュレーションソフトを使って、治療で歯並びがどのように動いていくのかを確認できます。このタイミングで、治療に関する不安や疑問点があれば確認しておきましょう。

※費用相場/無料~10,000円前後

2-2. 精密検査で口内を確認

治療をスタートする前に、精密検査を行って口内の状態を確認します。この時、「歯の位置」と「顎の骨の状態」を正確に把握するために、レントゲン撮影を行うことがあります。また矯正装置を製作するための歯の型取りも行います。この精密検査では、今後の治療計画の元となる基礎データを収集します。

従来の矯正治療では、シリコーン素材を口の中いっぱいに入れて歯の型取りする必要がありました。そしてその型取りの不快感が理由で、矯正を諦めてしまう方もいらっしゃいました。最近の歯科医院の中には、それらを解決するインビザライン専用の光学スキャナーを導入しているところがあります。快適に歯の型取りが実施でき、何度も採取する必要がありません。

※費用相場/10,000~50,000円

2-3. オーダーメイドのマウスピースの製作

精密検査で得たデータをもとに、オーダーメイドのマウスピースの製作を行います。インビザライン・ファーストの場合は、成長過程にある歯の萌出が想定されています。ただし顔の成長スピードには個人差があり、マウスピースが合わなくなる場合があります。この場合、新しくマウスピースを作成することもありますが、多くの場合追加費用はかかりません。

※費用相場/400,000~600,000円

2-4. 矯正治療開始&定期通院

マウスピースが完成したら、矯正治療をスタートします。1日あたり20~22時間装着し、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。そして、顎の骨の拡大と歯の移動を行います。この際マウスピースの交換などは、自宅で行います。

ただし、治療の進捗状況と虫歯などの確認のため、定期的に通院する必要があります。

※費用相場/1回分の通院代が3,000~5,000円

2-5. 保定期間

マウスピースを装着しながら、顎の骨の拡大と歯の移動が完了すると、顎の骨や歯の位置を固定する保定期間に入ります。

装置を取り外し矯正治療が終了した直後は、歯茎や骨が動かした歯の位置にしっかり馴染んでいません。そのため、歯並びが元に戻りやすい状態です。それをできるだけ戻らないように、しっかりと固定を行うのが保定期間です。保定期間の中でも最初の3~4ヶ月は、歯根膜という根っこの周りの組織が再編成しており、最も戻りやすい期間と言われています。そのため、特に注意が必要です。

保定期間中はリテーナーという後戻り防止装置を使用します。そして年に2~3回メンテナンス用に通院します。

※リテーナー製作費用相場/20,000~50,000円

※費用相場/1回分の通院代が3,000~5,000円

2-6. 保険の適用について

小児矯正は、一般的に保険適用外になります。本来健康保険は、病気やケガの治療を目的としています。そのため、噛み合わせや見た目の改善を目的としている小児矯正は、保険適用外とされています。

ただし、例外もあります。例えば、先天的な異常で生じる噛み合わせの悪さを治す矯正治療です。また顎の外科手術が必要となる顎変形症の場合の手術前や手術後の矯正治療にも、保険が適用されます。

3. 子供のインビザライン矯正費用と支払い方法について

3-1. 子供のインビザライン矯正費用

当記事では、インビザライン・ファーストの費用について解説しました。インビザライン・ファーストの費用相場は、450,000~800,000円程度になります。

ただし、マウスピースの故障や紛失、虫歯などによって矯正期間が長くなる場合、料金が高くなる場合があります。事前に歯科医院やクリニックに、そういった場合の費用について確認しておきましょう。

3-2. 支払い方法について

インビザラインの矯正では、様々な支払い方法が用意されています。それらについて、解説します。

・現金払い…歯科医院・クリニックの窓口でのお支払い

・銀行振り込み…銀行からの振り込みによるお支払い

・クレジットカード払い…指定のクレジットによる一括払い

・院内分割…歯科医院により独自に設定されている分割支払い(例、2~60回)

4. 子供のインビザライン矯正費用のまとめ

子供の歯並びは、とても繊細です。歯並びの問題を放置しておくと、顎の骨の成長不全が起こる可能性があります。また虫歯になりやすくなったり、集中力が続かなくなるリスクもあります。

歯並びを改善し、かみ合わせをよくすることは、お子様の健全な発育を守るためにとても大切なことです。

6歳から使用できるインビザライン・ファーストは、多くの小児歯列矯正治療に使用されています。小学生の多感な年頃の方でも、周りに気づかれることなく、綺麗な歯並びを実現できます。

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監修歯科医師


6年連続 インビザライン ブラック・ダイヤモンド認定
医療法人社団ピュアスマイル 理事長 湊寛明

経歴

私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任 

ご挨拶

誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。

歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。