マウスピースで歯並びだけでなく顔も変わる?その原理を丁寧に解説します

皆さん、こんにちは。東京都港区にあるピュアリオ歯科・矯正歯科のスタッフです。

近年、マウスピース矯正が注目されています。多くの芸能人も、インスタグラムやX(旧Twitter)で、マウスピース矯正治療を公表されている方が多数います。

そんなマウスピース矯正について、「顔立ちが変わるのでは?」と心配される方もいます。これについて結論を申し上げると、大きな影響はありません。

そこで本記事では、マウスピースが顔立ちに与える気になる影響について解説していきます。

マウスピース矯正と顔つきに関する疑問と答え

1. マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは、目立たない透明なマウスピース型の装置で歯を動かしていく新しい矯正方法です。人と出会う機会の多い方でも他人に気づかれずに歯列矯正を行えるので、仕事をしている方にも人気です。

また歯を抜かずに出っ歯を治したい方や、矯正中にもしっかり歯磨きをしたい方におススメです。しかも通院回数が少なくスポーツもできるので、日常生活と矯正治療の両立がしやすいというメリットもあります。

2. マウスピース矯正と顔つきの関係

マウスピース矯正では、現在の歯並びと大きく異なるものを装着することはありません。そのため、基本的に大きく顔立ちが変化することはありません。ただし矯正治療が進行し歯並びが改善していくプロセスの中で、副次的に若干顔の変化が生じる可能性はあります。

3. 口元が伸びて見える

一般的にマウスピースは非常に薄く作られており、すぐにわかるほどの顔の変化は起きません。ただし過蓋咬合(かがいこうごう)の場合は、可能性があります。

過蓋咬合とは、下の前歯が見えないくらい、上の歯のかみ合わせが深い状態のことをいいます。つまり、上の歯が下の歯のふたになってしまっているような状態です。そして治療によってこの歯のかみ合わせが改善され、口元が伸びたように見えることがあります。

4. 口元が下がって見える

抜歯を伴う歯科矯正の場合、歯を抜いたあとのスペースが広く、その結果口元が下がって見える場合があります。

ちなみに個人差はありますが、抜歯した後のすき間は一か月に1mm閉じるといわれています。そして隙間が埋まるまでには、1年から1年半ぐらいかかります。

5. 顔がたるんで見える

出っ歯の方がマウスピース矯正をした場合歯が引っ込むため、それまであった顔のツッパリ感がなくなります。その結果、出っ歯の時と比べると、顔がたるんで見えることがあります。

しかしこの現象は、矯正によって歯が本来の理想な場所に移動し、以前と比べるとたるんで見えるだけなのです。

6. 小顔になる

マウスピース矯正の良いイメージの中の一つに、「小顔になる」というものがあります。ただこの現象は、患者さんの状況によって異なり、必ずしも顔が変わるわけではありません。

例えば、開咬(かいこう)という歯並びがあります。これは奥歯をかんだ時に前歯が合わず、すき間が空いている歯並びのことです。 歯の間からよく舌がのぞくのが特徴です。 

この開咬という不正咬合を矯正治療した場合、今まで閉じなかった口元が閉じれるようになるため、小顔になることがあります。

ただし出っ歯の矯正治療の場合、口元が引っ込むものの、顔自体が小さくなるわけではありません。

7. エラの張りが解消できる

エラの張りとは、顔の横幅が広がり、特に顔の下部や耳の下あたりが張って見える現象のことです。この症状の多くは、骨格や筋肉の発達によって引き起こされます。

「エラが張っていて自分に自信が持てない」といったエラ張りに悩む方は多いです。例えば咬筋と呼ばれる筋肉の発達が原因の場合、改善できる可能性があります。

その理由は、咬筋の発達の原因は歯ぎしりが多いからです。矯正治療による歯並び改善で歯ぎしりがなくなると、エラ張りが良くなることがあります。一方骨格的にエラが張っている場合は、骨を削らないと改善できません。

マウスピース矯正で変わる部分と変わらない部分

1. マウスピース矯正で変わる部分

1-1. 口が閉じれるようになる

マウスピース矯正によって出っ歯が改善すると、口が閉じれるようになります。例えば出っ歯の場合、口を閉じようとしても前歯が邪魔になって唇が引っ掛かってしまいます。その結果、口をうまく閉じられず、常に開いた状態になってしまうことがあります。

しかしマウスピース矯正によって出っ歯が引っ込むと、口が閉じられるようになり、口元の印象が良くなります。

1-2. エラが引っ込む

歯ぎしりによって咬筋が過度に発達している方は、マウスピース矯正で噛み合わせを整えます。その結果、歯ぎしりが減り、咬筋の負担が軽減されます。そして咬筋の過度な発達がなくなることで、エラが引っ込むことがあります。

1-3. 横顔のバランスが改善される

美しい横顔には、鼻先と下アゴの突端部を結ぶ直線ラインである「Eライン」が有名です。そして、この美しい横顔と密接な関係にあるのが「歯列」と「あごの骨格」と「軟組織」です。軟組織とは、皮膚や粘膜などの柔らかい組織の総称です。

そしてマウスピース矯正で改善できるのは、歯列のみです。つまり、受け口や出っ歯などが改善されることで、横顔に変化がみられる場合があります。ただし症例やドクターの治療計画によっては、変化が見られない場合もあります。

2. マウスピース矯正で変わらない部分

2-1. 目や鼻の大きさ

マウスピース矯正は、歯並びやかみ合わせ、受け口や出っ歯を改善できます。しかしマウスピース矯正を行ったからといって、目や鼻の大きさが変わることはありません。これらを改善するためには、美容外科の処置が必要になります。

ただし、治療の影響で顔の筋肉のバランスが整い、目が大きくなったように感じたり、小鼻がすっきりしたように感じる可能性はあります。

2-2. 顔の大きさ

矯正治療によって噛み合わせの悪さが原因の噛み締めの癖がなくなり、フェイスラインが改善されて小顔になったように感じることはあります。しかし、骨格的な顔の大きさは変化しません。顔の骨格を改善されたい場合は、外科的処置が必要になります。

2-2. 歯の大きさ

矯正治療によって、歯の大きさは変化しません。ただし歯並びを整えることで歯の見え方が変わり、人によっては歯の大きさが変化したように感じる可能性はあります。

マウスピース矯正の特徴

1. 透明で目立ちにくい

マウスピース矯正は、透明で目立ちにくいのが大きな特徴です。特に人気のインビザラインは、薄くて透明な医療用ポリウレタン製のマウスピースを使用します。

そのため装着していることを周りの人に気づかれにくく、見た目によるストレスが従来の矯正治療に比べて圧倒的に少なくなります。

2. 簡単に取り外しできる

ワイヤー矯正の場合、ワイヤーを一時的に取り外すには、別途費用がかかることが一般的です。一方マウスピース矯正は、自分で簡単に取り外しができます。そのため、大事なイベントのときには取り外して過ごすことができます。

ただし取り外した日は、歯の動きが止まった状態です。そのため取り外していた分は、交換日数を調整することをおススメします。

3. 比較的痛みが少ない

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べると痛みが少ないという特徴があります。それはゆっくりと少しずつ歯を動かすからです。

例えば、マウスピース1枚あたりで歯を最大0.25mm動かす設計になっています。またマウスピースの交換は1週間程度毎に行うので、1週間で歯を最大で0.25mm動かすことになります。

そして歯をゆっくり動かすということは、歯周組織を急激に傷つけることが少ないことにつながります。その結果、痛みや炎症を最小限に抑えることが出来ます。

4. 通院回数が少ない

マウスピース矯正は、ワイヤー矯正と比べると通院頻度が低いのが特徴です。そのため忙しい方でも、無理なく治療に臨める矯正方法です。

ちなみにマウスピース矯正の通院頻度は、3~4ヶ月に1回が一般的です。ただしマウスピースに慣れるまでは正しく装着できていないケースも多く、あえて通院頻度を多くしているクリニックもあります。通院頻度は患者さんの症例や治療の進捗状況、クリニックごとの考え方で異なります。歯科医師の指示に従うことが大切です。

マウスピース矯正の治療期間と費用について

マウスピース矯正の治療期間は、患者さんの歯並びや症例によって異なりますが、最短で3か月半という非常に短期間で治療が完了することもあります。また、通院頻度についても、従来のワイヤー矯正ではワイヤーの調整が必要で、月に1~3回の通院が求められていました。これが患者さんにとって大きな負担となっていました。しかし、マウスピース矯正では年間最短3回程度の通院で済むため、非常に負担が少なくなっています。

さらに、費用に関しても、ワイヤー矯正の場合は初期費用に加え(一般的には約100万円、症例によってはそれ以上かかることもあります)、通院するたびに診察料やワイヤー調整料が発生します。仮に5年間の通院が必要だった場合、毎月5,000円程度の調整費用がかかるとして、5,000円×月1~3回×12か月×5年で、トータルで30万円~90万円の調整費用がかかる計算になります。

一方、マウスピース矯正の場合、こうした調整費が不要なケースがほとんどで、患者さんの経済的負担を大きく減らすことができます。

まとめ

マウスピース矯正では顔が変わることもあれば、変わらないこともあります。歯並びの改善による波及効果で変わる可能性はありますが、骨格的な原因がある場合は変化は期待できません。

例えばあごの前歯が前に出ている出っ歯の場合は、マウスピース矯正によって前歯の位置を調整します。その結果、口元が前に出てくる突出感を改善することができます。この場合、Eラインから唇が出てくる部分が矯正によって改善され、横顔の印象も整います。

実際に、ピュアリオ歯科・矯正歯科では、インビザライン矯正によって患者さんが自分の横顔の変化を実感した症例は数多く存在します。

歯科治療は、医療の中でも医師個人の考え方や感性、技術、医院の設備によって成果が大きく変わります。ピュアリオ歯科・矯正歯科は、患者さんが望む最大の効果を、合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すことに努めています。

院長はインビザラインの世界サミットで表彰されたトッププロバイダーで、全ての治療計画を作成しています。また、累計症例数も2,300件以上あります。

少しでもご興味をお持ちいただけたら、ぜひ無料オンラインカウンセリングを活用下さい。

監修歯科医師

インビザライン ブラックダイヤモンドドクター インビザライン・ジャパン株式会社(旧アライン・テクノロジー社)認定 医療法人社団ピュアスマイル 理事長

湊 寛明

私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任 日本矯正歯科学会日本成人矯正歯科学会/日本舌側矯正歯科学会/世界舌側矯正歯科学会/ヨーロッパ舌側矯正歯科学会/国際インプラント学会/日本口腔インプラント学会/日本歯科審美学会/日本歯周病学会/日本臨床歯周病学会/日本補綴歯科学会/日本口腔外科学会/日本アンチエイジング歯科学会

ご挨拶

誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。

歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。

医療法人社団ピュアスマイル 理事長 湊 寛明