上の歯だけ矯正は可能?上下のかみ合わせへの考慮も大切です

こんにちは。東京都港区にあるピュアリオ歯科・矯正歯科のスタッフです。

上の歯だけの矯正は、部分的な歯並びの改善を目的とした治療法です。下の歯に比べて上の歯は目立ちやすく、見た目の印象を大きく左右します。そのため、上の歯だけに矯正を希望される方も多くいらっしゃいます。

一般的に矯正治療は、上下の歯に対して行われます。ただし下の歯並びに問題がない場合、上の歯だけの部分矯正で歯並びを改善することができます。

例えば、かみ合わせに問題がない軽度のすきっ歯や出っ歯などは、上の歯だけの部分矯正で改善できる可能性があります。

ただし、上の歯だけの部分矯正には注意すべき点もあります。本記事では、メリットやデメリット、注意すべき点について解説します。

上の歯だけ矯正は可能?

多くの歯科医院やクリニックでは、上下の歯に対して歯列矯正を行います。その理由は、上の歯に限定した歯列矯正では、正しいかみ合わせにならない可能性があるからです。

正しいかみ合わせ状態にならないと、食べ物をスムーズに噛めずに健康に影響を与えたり、発音しにくくなる可能性があります。

しかし予算や治療期間の関係で、「上の歯だけ矯正したい」という方も多くいらっしゃいます。そういった場合は、ワイヤー矯正や裏側矯正、マウスピース矯正といった治療方法を選択し治療することが可能です。

上の歯だけ矯正するメリット

1. 安い費用で矯正できる

上の歯だけ矯正する場合、歯を動かす範囲が限られるため、費用を抑えることができます。例えばワイヤー矯正のブラケットの数やマウスピースの枚数が少なくてすみます。

上の歯だけを表側矯正する場合の費用相場は、30万~60万円です。また上の歯だけを裏側矯正する場合の費用相場は、40万~70万円です。そして上の歯だけマウスピース矯正を行う場合の費用相場は、10万~100万円です。

2. 治療を短期間で完了できる

上の歯だけの矯正治療は、下の歯に比べて比較的短い期間で治療を完了できる傾向があります。これは、矯正する範囲が狭いため歯を動かす距離が短く、治療計画もシンプルになるからです。

治療計画がシンプルになる理由は、上の歯だけの矯正は下の歯との噛み合わせを大きく変える必要がないからです。

3. 比較的痛みが軽い

全体の歯列矯正に比べて上の歯だけの矯正治療は、歯が動く範囲が限定されます。そのため、痛みを感じにくい傾向があります。

ただし人によっては、食事が困難になるほどの痛みを感じる方もいらっしゃいます。痛みの感じ方には、個人差があることを認識しておきましょう。

4. コンプレックスが解消する

上の歯だけの矯正治療は、歯並びや出っ歯、すきっ歯など、上の歯のみにコンプレックスを抱えている方にとって、希望が持てる治療法です。

特に上の前歯は、通常の会話や笑った時に目立ちやすく、歯並びにコンプレックスを持つ方も多くいらっしゃいます。

そのような上の前歯の歯並びが改善されると、コンプレックスが解消され、ご自身の笑顔にも自信が持てて性格も明るくなります。

上の歯だけ矯正するデメリット

1. 適応症例が少ない

通常歯は、上下でかみ合うように設計されています。例えば上の歯だけを移動させると、下の歯とのバランスが崩れてしまい、噛み合わせが悪くなる可能性が高くなります。

矯正治療の本来の目的は、歯並びを整えるだけでなく、正しい噛み合わせを回復し、顎の骨の発育を促すことも含まれています。そのため上の歯だけの矯正では、これらの目的を完全に達成できない可能性があります。

そのため、上の歯だけの矯正は噛み合わせに問題のない軽度の歯並びの乱れに限られます。抜歯が必要になる重度の症例や奥歯のかみ合わせに問題がある症例は適応されません。

2. かみ合わせの不具合が生じる可能性がある

上の歯だけ歯科矯正を行った場合、下の歯との噛み合わせに問題が生じる可能性があります。では、なぜ上の歯だけの矯正で噛み合わせに不具合が生じるのでしょうか。

それは、歯はもともと上下でかみ合うように設計されているからです。例えば上下の歯の位置関係が少しでもずれてしまうと、かみ合わせに違和感を覚えやすくなります。

また奥歯のかみ合わせが不安定になり、かみづらい、食べ物が挟まりやすいなどの問題が起こる可能性があります。しかも長期的に見ると、歯の摩耗や顎関節症の原因になることもあります。

3. 対応できる歯科クリニックが少ない

上の歯だけの矯正治療に対応できる歯科クリニックが少ない理由は、主に以下の点が挙げられます。

3-1. 噛み合わせの複雑さ

口腔内は、上下の歯が複雑にかみ合い、バランスを保っています。そして上の歯だけを動かすと、下の歯とのバランスが崩れ、新たな噛み合わせの問題が生じる可能性があります。

また上の歯だけの矯正は、短期的な見た目の改善は期待できますが、長期的に見ると、顎関節症や歯周病などの問題を引き起こす可能性も否定できません。

3-2. 治療計画の複雑さ

上下の歯の噛み合わせを考慮した上で、どの歯をどの程度動かすのか、治療計画を立てる必要があります。そのため、高度な診断能力と治療計画立案能力が求められます。

また上の歯だけの矯正の場合、治療期間の見積もりが難しく、治療途中で計画を変更する必要がある場合もあります。

3-3. 治療技術の高度さ

一般的に矯正治療は、歯の移動だけでなく、顎骨の成長や発育も考慮する必要があるため、専門的な知識と技術が必要です

上の歯だけの矯正の場合、一般的な矯正治療に比べて症例数が少ないため、多くの経験を積んだ歯科医師でないと、安全に治療を行うことが難しいという側面があります。

3-4. 患者さんの期待と現実のギャップ

上の歯だけの矯正では、全ての歯並びの問題を解決できるわけではありません。そのような患者さんの期待と、実際の治療効果にギャップが生じる可能性があります。

また上の歯だけの矯正後、再び歯が元の位置に戻ってしまう再治療のリスクも否定できません。

上の歯の矯正方法別の費用と期間

ここでは、上の歯の矯正方法別の費用と期間をご紹介します。

1. 表側矯正(ワイヤー矯正)

ワイヤー矯正の表側矯正は、歯の表側にブラケットとワイヤーを装着して歯並びを改善する矯正方法です。長い歴史と豊富な症例があります。ただし歯の表側に矯正装置を装着するので目立ちやすく、食べ物が引っ掛かりやすいという特徴があります。

  • 費用相場/約30万~60万円
  • 治療期間/2か月~1年

2. 裏側矯正(ワイヤー矯正)

ワイヤー矯正の裏側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着して歯並びを改善する矯正方法です。表側矯正と同じく、歴史があり、幅広い症例に対応できます。

矯正装置は歯の裏側にあるため、周囲の人に気付かれにくいのが特徴です。

  • 費用相場/約40万~70万円
  • 治療期間/5か月~1年

3. マウスピース矯正

マウスピース矯正は、ワイヤーやブラケットを使用せず、透明なマウスピース型の装置で歯を動かす新しい矯正方法です。装着していることが、周囲の人に気づかれにくいのが特徴です。

人と会ったり話す機会が多い仕事の方でも、他人に気づかれずに歯列矯正を行えます。そのため、社会人の方や年配の方でも負担の少ない矯正方法と言えます。

  • 費用相場/約10万~40万円
  • 治療期間/2か月~1年

4. セラミック矯正

セラミック矯正は、歯を削り、セラミッククラウンを被せることで、短期間で見た目を整えることができます。 そのため時間がない人や早く見た目を改善したい人に適していますが、根本的な歯並びの矯正ではなく、審美的な改善に留まります。

セラミックの費用は、1本につき10万〜15万円ほどです。ただしそれ以外に、仮歯代がかかることがあります。

上下のかみ合わせがとても重要

出っ歯やすきっ歯など、上の歯だけの矯正で歯並びを改善することは可能です。しかし上の歯並びだけを動かしてしまうと、下の歯並びとの調和が取れなくなる可能性があります。その場合、噛み合わせが悪くなるケースが少なくありません。

理想的なかみ合わせの条件には、以下があります。

  • 無理なく口を閉じられる
  • 上下の前歯にある中心線がそろっている
  • 噛み合わせた上下の歯にできたすき間が5mm以下である
  • 歯並びに、すき間や重なり、ねじれ、傾きがない
  • 奥歯がかみ合っている
  • 上下の歯列がU字のアーチ状になっている

上記のような状態になっていないと、虫歯や歯周病、頭痛や肩こり、発音の不明瞭、口臭などの原因になります。

上の歯だけの矯正の治療中に、かみ合わせに違和感を感じたら、自己判断をせずに歯科医師に相談するようにしましょう。

まとめ

上の歯だけの矯正は、費用も安く、治療期間も短いため、初めて歯列矯正する方にとって治療しやすい面があります。

ただ該当する症例か、また治療中にかみ合わせに異変が生じないかといった注意すべきポイントがあります。

後悔しない部分矯正にするためには、コミュニケーションしやすく、技術力のある歯科クリニック選びがとても大切です。

ピュアリオ歯科・矯正歯科は、マウスピース矯正でも、かみ合わせまで考えた治療を行っています。またインビザラインダイヤモンドドクターの中で、唯一症例(契約)数だけでなく、治療完了数を開示しています。その数は、1600件に達しています。

LINE通話やZoomによる無料オンラインカウンセリングを実施してますので、ぜひお気軽にお問合せ下さい。

監修歯科医師


6年連続 インビザライン ブラック・ダイヤモンド認定
医療法人社団ピュアスマイル 理事長 湊寛明

経歴

私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任 

ご挨拶

誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。

歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。