インビザラインとは?メリット・デメリット、実際の治療の流れを解説

インビザラインによる歯科矯正治療とは?

インビザライン・システム(以下:インビザライン)は、マウスピース型矯正治療法の一つです。

マウスピース型矯正とは、従来のワイヤー矯正と違って、透明のマウスピースを使って歯並びを矯正する比較的新しい治療方法です。

インビザラインは、その中でももっとも歴史の長い、アメリカのアライン・テクノロジー社が、矯正歯科医師を対象に提供しているマウスピース矯正のシステムです。

1999年に提供を開始以来、多くの方々から厚い支持と人気を集め続けており、現在では世界中で最も普及しています。

プラスチックの矯正装置そのものは、さらに遡る1945年にハロルド・ケスリング博士が最初に開発したといわれていますが、当時は歯型採取や矯正器具の作成に3Dの技術がなかったため、普及には至りませんでした。

それらをアライン・テクノロジー社がデジタルの技術で実現し、開発したのがインビザラインです。

現在では、インビザラインは世界100カ国以上の国々で提供され、これまでに1,400万人を超える患者様が治療を受けているほどに広く普及しています(2022年9月時点)。

インビザラインによる矯正治療のメリット

従来のワイヤー矯正とは違い、透明のマウスピース型装置を使うインビザライン矯正。

世界中で広く普及しているのは、インビザライン矯正には多くのメリットがあるためです。具体的に、患者様にとってどんなメリットがあるのでしょうか?

<メリット1>矯正装置が透明で目立たない

インビザライン矯正で使うのは、透明のマウスピース型矯正装置のため、装着しても目立たず、周囲に気づかれにくいのが特長です。

ワイヤー矯正には「目立つから…」と抵抗を感じていた方も、インビザラインならば目立たないからと、思い切って矯正を始められる方が増えています。

人前に出るお仕事の方や芸能人の方々にも人気である理由の一つです。

<メリット2>痛みが少ない

ワイヤー矯正は月1回通院してワイヤーを強く締め付けることで歯を動かしていくため、ズキズキとした強い痛みがあります。

一方、インビザラインは1枚ごとに少しずつ形の異なるマウスピースを1〜2週間ごとに交換していくことで、少しずつ歯を動かしていく仕組みです。マウスピース1枚あたりの形の変化はわずかなものなので、ワイヤー矯正よりも痛みが少なく、感じるのは締め付け感程度という患者様がほとんどです。

(最初の数日は痛みを感じられる場合もあります)

<メリット3>通院頻度が少ない

インビザラインは、最初に数か月分のマウスピースをまとめて受け取り、1〜2週間ごとに自分で交換して矯正を進めていくケースが一般的です。

通院頻度は、クリニックによりますが1〜3ヵ月に1回程度。

月1回はワイヤー調整に通う必要があるワイヤー矯正と比べて、忙しい方でも矯正のハードルが下がります。

<メリット4>食事のストレスが少ない

ワイヤー矯正は、自分で装置の付け外しができないため、もちろん食事もワイヤーを着けたまますることになります。歯がワイヤーで締め付けられている状態で食べ物を噛むため、激しい痛みを伴います。また、装置に食べ物が引っかかってしまうことも多く、特に人との食事のときには気になってしまいます。

一方、インビザラインは、食事の際は必ず装置を外して食べられるので、食べ物を噛むときの痛みや、食べ物が装置に引っかかってしまうストレスもほとんどありません。

矯正中でも、思いっきり食事を楽しんでいただけます。

<メリット5>ケアがしやすく清潔(虫歯・歯周病リスクの軽減)

従来のワイヤー矯正は装置の取り外しができないため、すみずみまで歯磨きすることが難しく、食べかすが残りやすいことが難点です。さらに、ワイヤーを着けていると歯間ブラシや糸ようじ(フロス)を通すこともできず、口の中が不衛生になりやすく、虫歯や歯周病リスクが高くなってしまいます。

一方のインビザラインは、マウスピースを取り外してしっかりと歯磨きすることができる上、歯間ブラシや糸ようじ(フロス)も問題なく使えます。

ケアがしやすく、口の中を清潔に保つことができるので、虫歯・歯周病リスクを軽減でき健康的です。

インビザラインによる矯正治療のデメリット

ご紹介してきたように、従来のワイヤー矯正に比べてメリットの多いイビザライン矯正ですが、いざ始めるとなったら、デメリットも知っておきたいものですよね。

どんなデメリットがあるのでしょうか?

<デメリット1>1日20時間以上の装着が必要

矯正で歯を動かしていくためには、装置を長時間付けることでしっかりと持続的に歯に力をかけ続ける必要があります。

その点では、強制的に24時間付けっぱなしのワイヤー矯正とは違い、マウスピース矯正は装置の取り外しができる分、自分の意志でしっかりと長時間装着する必要があります。

具体的には、1日20時間以上の装着が必要です。食事のとき以外はずっと付けて過ごすのが基本です。

ただ、最初はすこし面倒に感じられるかもしれませんが、いざ始めてみると、マウスピースを着けることが習慣になり、すぐに慣れてしまう患者様がほとんどです。

<デメリット2>難しい歯並びには適用できない場合もある

まずインビザラインは、一定の審査基準を満たし、米国のアライン・テクノロジー社が発行するライセンスを取得しているドクターでないと取り扱うことはできません。

その上、ライセンスを取得しているドクターであっても、治療経験が少ないと、インビザラインで治すことができる歯並びがかなり限られてきます。

マウスピース矯正そのものがまだ新しい治療方法であるため、十分に治療経験を積んでいるドクターは少ないのが現状です。

そのため、クリニックにカウンセリングに行っても「その歯並びはマウスピース矯正では治せない」と断られてしまったり、ワイヤー矯正を勧められるケースが多々あります。

しかしながら、これはドクターの経験と技術による問題であることがほとんどです。同じ歯並びであってもマウスピース矯正の治療経験が豊富なドクターなら問題なく治療できるケースが多々あります。

もし1軒目のクリニックでマウスピース矯正はできないと言われても、セカンドオピニオンとして他のクリニックに相談に行かれることをおすすめします。

インビザラインの矯正治療の流れ

矯正中の通院回数が少ないことは、インビザライン矯正のメリットの一つ。

では、実際にどんなタイミングで通院が必要なのでしょうか?

通院頻度はクリニックによって大きく違いますが、ここでは当院での実際の治療の流れをご紹介します。

①カウンセリング(無料)

まずは無料カウンセリングにて、お悩みをお話しいただき、歯並びやお口の中の状態を診させていただいた上で、歯の動かし方や治療期間、費用をお伝えいたします。

※当院では、お忙しい方やご遠方の方にもお気軽にカウンセリングを受けていただけるように、オンラインカウンセリングにも対応しております。

②CT精密検査+レントゲン撮影(カウンセリングの日にそのまま実施可能)

矯正で安全に歯を動かすためには、歯を支える骨や根っこの状態まで1本1本診ることのできるCT精密検査が必須です。レントゲン撮影も行い、虫歯や歯茎の状態もしっかりと診させていただきます。

③口腔内スキャン+写真撮影

デジタルで正確に歯の型取りができる最新の機械を使って、歯の型取り=口腔内スキャンを行います。あわせて、お口の中やお顔の写真も撮影いたします。

この日に取ったスキャンのデータと写真は、インビザライン矯正が始まってからも定期的に患者様ご自身にご覧いただき、治療前の歯並びやお口元からの変化をご実感いただけるようにしています。

↓約1~1.5ヶ月

④ドクターによるシミュレーション作成および説明

②③で行った検査やスキャンのデータをもとに、当院の院長が患者様の歯の状態を分析し、最新のシミュレーションによる治療計画をお作りします。

シミュレーションが出来上がったらご来院いただき、具体的にどのように歯を動かしていくのかを、シミュレーションをご覧いただきながら詳しくご説明いたします。

(即席での自動作成によるシミュレーションを使うクリニックが一般的ですが、当院では、患者様お一人お一人に合わせたシミュレーションを院長が手作業でお作りするため、1~1.5ヶ月ほどお日にちをいただいております。自動作成のシミュレーションには患者様の歯や骨の状態が十分に反映されておらず、シミュレーション通りに歯が動かずに治療が大幅に長引いてしまうケースが多々あるため、当院ではより正確な治療計画を立てるためこのような方針とさせていただいております)

⑤マウスピースの発注

シミュレーション説明が終わったら、マウスピースをインビザラインに発注します。

当院では、少しずつ正確に治療を進めていくために、基本的には、最初は14枚前後(14週間分)のマウスピースのみを発注しています。当院では、この約14枚を「1クール」として、何クールで歯並びが綺麗になるかは患者様の歯並びの状態によって変わってきます。

↓約1ヶ月

⑥マウスピースのお渡し:IPR、アタッチメント装着

発注したマウスピースが届いたら、ご来院いただき、マウスピース矯正に必要な下記の処置をします。

・IPR…歯をきれいに並べていくスペースを確保するため、歯と歯の間に0.1mm単位の隙間をつくること

<IPRに関する詳しくい説明はこちら

・アタッチメント装着…アタッチメントとは、インビザライン矯正の際に歯の表面に付ける白い装置です。マウスピースとアタッチメントがかみ合うことで、歯を動かす力をしっかりと加えることができます。

<アタッチメントに関する詳しい説明はこちら

そして、マウスピース(基本的には14枚)をお渡しして、いよいよ矯正の1クール目がスタートです!

↓約3ヵ月半~

⑦経過相談

約14週間(3か月半)かけて、1クール目のマウスピースを使い終わったら、ご来院いただき、経過を診させていただきます。最初のシミュレーション通りに歯が動いているかどうか、患者様と一緒にモニターを見ながら確認していきます。

2クール目以降に進む場合は、③~⑦を1クールごとに繰り返していきます。

⑧かみ合わせ調整、アタッチメント取り外し、形態修正、リテーナー作成

必要なクール数が終了し、歯並びがきれいになったら、ご来院いただき、仕上げとして下記の処置を行って、治療終了となります。

・かみ合わせの最終調整

・アタッチメントの取り外し

・歯の形態修正

(当院では、矯正していただいた方にトータルでご満足いただけるよう、歯の形の修正を無料で行っております)

・リテーナー作成

(矯正後に歯並びが後戻りしないよう固定する装置のことです)

まとめ

インビザラインのメリット・デメリット、実際の治療の流れはイメージいただけましたでしょうか?

当院では、まずは患者様の疑問やご不安な点をクリアにしていただいた上で安心して治療を始めていただけるよう、無料のカウンセリングを行っています。ご自身の歯並びをインビザライン矯正で治すにはどれぐらいの治療期間や費用がかかるのか知りたい、という方は、まずはお気軽に無料カウンセリングにお越しください。

監修歯科医師


6年連続 インビザライン ブラック・ダイヤモンド認定
医療法人社団ピュアスマイル 理事長 湊寛明

経歴

私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任 

ご挨拶

誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。

歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。