マウスピース矯正の種類と違いを比較!選び方のポイントも解説

マウスピース矯正ブランドの数はとても多く、「興味はあるけど、どれも同じに見えて違いがかわらない」と迷われる方も多いと思います。しかも矯正歯科治療は、時間も費用もかかるので、自分にぴったりなマウスピース矯正選びは切実な問題です。そこで一番大切なのは、ご自身の「目指す歯並びのゴールを決める」ことです。

どんな美しい歯並びになりたいのか、その最終イメージを固めることがとても大切です。そこから「全顎治療」か「部分治療」か、「費用」や「治療期間」が決まってきます。当記事では、各マウスピースブランドの特徴や、後悔しないためのポイントについて詳しく解説します。

1. マウスピース矯正とは

マウスピース矯正とは、透明なマウスピース型の矯正装置を装着することで歯を動かし、歯並びを綺麗にする歯列矯正治療です。ワイヤーやブラケットとは異なり、透明なマウスピース型の装置は、周囲の人に気づかれにくいのが大きな特徴です。結婚式やセミナーなどのイベントに出席する場合や、営業職など人と出会う機会が多い方には、気持ちの負担が少ない矯正方法です。

流れとしては、歯科医院でカウンセリングを行った後に歯型を取ります。そして、一人ひとりの患者さんに合わせたマウスピースを製作します。その後時間をかけて、段階的に新しいマウスピースに交換しながら少しずつ歯を動かし、歯並びを整えていきます。マウスピース矯正の種類や効果は、ブランドや患者さんの症状によって異なります。

2. マウスピース矯正の種類と特徴について

マウスピース矯の正ブランドは、近年続々と増え続けています。世界中で多くのユーザーに支持されているインビザラインや低価格が魅力なキレイライン、1回1,650円のお試し治療があるウィ・スマイル、痛みが少ないアソアライナーなど、マウスピースの種類ごとに特徴があります。

またマウスピース矯正のブランドごとに、治療プログラムや素材も異なります。ここでは、マウスピースのブランドごとの特徴について解説します。それぞれの良さを比較して、自分にピッタリのマウスピースブランドを是非見つけて下さい。

2-1. インビザライン

インビザラインはマウスピース矯正のシェアNo.1のブランドで、世界で100ヵ国以上、900万人以上が治療を受けています。かみ合わせなどを考慮した根本的な歯並び改善ができ、全顎矯正から部分矯正まで幅広い治療プランが可能です。

最大の特徴は、最新の3D技術と臨床データを組み合わせたシミュレーションで、患者さんの治療結果が予測できることです。具体的には、治療前に自分の理想の歯並びを知ることができます。また治療途中に、計画通りに進捗しているかを確認できます。

また他のブランドでは複数回歯型の採取が必要ですが、インビザラインは最初の1回のみで済みます。従来のように歯科材料を使わず、レントゲン写真や口腔内写真、光学スキャナなどのデータを用いて行います。そのためマウスピースの再現性が高く、歯科技工士の腕によるバラつきが出ることもありません。

芸能人の方などの有名人によるインビザラインでのマウスピース矯正実績があるので、認知度が高いブランドです。

2-2. キレイライン

キレイラインは、なるべく費用を抑えてマウスピース矯正を始めたい方にオススメのブランドです。初回22,000円(税込)で、2回目以降は55,000円で治療できます。ただし対応できる症例は限定されており、前歯の矯正(部分矯正)を希望される方が対象となります。

具体的な対応歯並び例としては、「出っ歯」や「すきっ歯」、「ガタガタの歯並び」などがあります。キレイラインの矯正では、1回につきソフト・ハードのマウスピース2種類を使って治療を行います。そしてそれを何回か繰り返すことで、キレイな歯並びを目指す矯正法です。もし奥歯の矯正を行いたい(全顎矯正)方は、他のブランドを検討しましょう。

2-3. クリアコレクト

クリアコレクトは、インプラント治療シェアNo.1のストローマングループが提供するマウスピース矯正です。歯の矯正が日本より一般的である米国では、マウスピース矯正のシェアはインビザラインに次いで第2位です。

症例が豊富なため、メーカーから歯科医院へのサポート体制も充実しています。

その最大の特徴は、マウスピースの形態です。他のマウスピースの装置と異なり、少し歯肉を覆う形状になっています。具体的には、歯と歯ぐきの境目から2mmの位置に、包み込むような形態をしています。この形状が歯をホールドし、歯とマウスピースの装着感をアップさせます。

クリアコレクトはマウスピースをアメリカの工場で作成するので、歯科医師の手間がかかりません。そのため、費用を比較的抑えることができます。

2-4. アソアライナー

アソアライナーの大きな特徴は、「ソフト」「ミディアム」「ハード」の3種類のマウスピースを約10日ごと使用する点です。そして自分自身の噛む力で、徐々に歯を動かし歯並びをキレイにしていきます。

例えば軽度の歯列矯正の場合、診断後最短10日で治療を開始できます。他のブランドと比べると痛みが少ないマウスピースを使用するので、痛みを抑えたい方には向いているタイプといえます。

このマウスピースは、1998年韓国のDr.Kimによって考案され、クリアライナーと命名されました。この名前は、世界中でマウスピース矯正装置と同義で使用されるまでになっています。

2-5. ウィ・スマイル

ウィ・スマイルの大きな特徴は、1回1,650円(税込)からのお試し治療があることです。また「最短3ヶ月の治療期間」「理想の歯並びを3Dでデザイン」「取り外しできて透明で目立ちにくい」といった特徴もあります。

クチコミを調べてみると、「検査料と調整料込みの総額を最初に提示してもらえた」といった費用面での安心感があるようです。ただし品質面に関しては、「正直お値段通りの仕上がりって感じでした」というコメントもあります。

ウィ・スマイルは金額的負担が少ないので、「まずは少しずつお金をかけて歯並びを治してみたい」と考えている方に向いているでしょう。「安く始められる」歯の矯正治療といえます。

2-6. Zenyum(ゼニュム)

Zenyum(ゼニュム)は、シンガポール発のスマイルコスメブランドです。シンガポール・香港・マレーシア・台湾・ベトナム・インドネシア・タイ・マカオに進出しており、日本は9拠点目です。

前歯のみの部分矯正から、奥歯を含めた全顎矯正まで、幅広い治療プランができます。費用感については、公式サイトで「軽~中度なら30万円台から矯正可能」「奥歯の噛み合わせを矯正する場合は50万円台から」と紹介されています。

また「通院回数は最低2回、アプリを使った経過観察で通院は少なめ」というのは嬉しいですね。Zenyum(ゼニュム)は、リーズナブルに矯正したい方にオススメのブランドです。日本での認知度は、これから高まってくると思われます。

2-7. ホワイトライン

ホワイトラインは、日本発のマウスピース矯正です。歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士の協力によって、開発されました。材質や製造ライン、AIによるデータ解析、環境への配慮などにこだわっています。

ホワイトラインの大きな特徴は、日本製なのに治療費が安いということです。通常のワイヤー矯正の半額以下の費用で、治療を受けることができます。上下の前歯を整える部分矯正のみに対応しており、日本製のマウスピースで費用を抑えたい方におススメのブランドです。

3. 自分に合ったマウスピース矯正の選び方とポイント

マウスピース矯正ブランドの数は、とてもたくさんあります。「興味はあるけど、どれも同じに見えて違いがかわらない」「選ぶ基準が知りたい」という方も多いと思います。マウスピース矯正は、素材や目安となる治療期間、費用などがブランドごとに異なります。ここでは、自分に合うマウスピース矯正の選び方のポイントについて、お伝えします。

3-1. 全体イメージを固めましょう

矯正歯科治療では、まず歯科医師が患者さんの歯並びや口腔内の状態・症状を検査します。それらの現状を把握した上で、治療方針を提案します。そして患者さんは、「全顎治療」か「部分治療」かを決定します。

つまり以下のポイントで、どの矯正治療法を選ぶにしても、「目指す歯並びのゴールを自分自身で決める」ことが求められます。

①費用はどのくらいかけられるのか

②治療にどのくらい時間をかけられるのか

③どこまで治療(矯正)したいのか

④最終的にどこまでキレイな歯並びになりたいのか

3-2. 部分矯正と全顎矯正のどちらを選択するか

マウスピース矯正には、「部分矯正」と「全顎矯正」の2種類があります。

<h4>3-2-1. 部分矯正とは</h4>

部分矯正は、「上下の前歯を中心に行う治療」です。「出っ歯」や「八重歯」などの歯並びの乱れや悩んでいる方は、「部分矯正」がおススメです。また全顎矯正に比べて短期間での治療が可能で、費用も抑えることができます。

<h4>3-2-2. 全顎矯正とは</h4>

全顎矯正とは、奥歯を含めた口の中全体の矯正治療のことです。歯並びの症状が軽い方から重度の方まで、幅広い対応が可能です。また抜歯やアタッチメントを使用しながら歯を動かすことができます。部分矯正ではできない「奥歯を含めた矯正治療」をしたい方におススメです。

3-3. 費用や治療期間で選ぶ

マウスピース矯正は、ブランドによってそれぞれ費用や治療期間が異なります。いつまでに綺麗な歯並びを実現したいのか、予算はどのくらいを想定しているのかを決める必要があります。その上で、ブランドごとの費用・治療期間を比較し、最終選択しましょう。

4. マウスピース矯正の種類についてのまとめ

マウスピース矯正ブランドの数はとても多く、迷われる方も多いと思います。しかも矯正歯科治療は、時間も費用もかかるので、自分にぴったりなマウスピース矯正選びは切実な問題です。

当記事では、後悔しないマウスピース矯正ブランド選びについて解説してきました。それぞれのブランドの特徴を理解することも大事ですが、一番大切なのはご自身の「目指す歯並びのゴールを決める」ことです。

そこから、「全顎治療」か「部分治療」か、「費用」「治療期間」が決まってきます。歯は一生の財産ですから、そのケアには万全を期すべきです。そのためには、慌てずにしっかりと情報収集し、納得のいく選択をされることをおススメします。

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監修歯科医師

インビザライン ブラックダイヤモンドドクター インビザライン・ジャパン株式会社(旧アライン・テクノロジー社)認定 医療法人社団ピュアスマイル 理事長

湊 寛明

私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任 日本矯正歯科学会日本成人矯正歯科学会/日本舌側矯正歯科学会/世界舌側矯正歯科学会/ヨーロッパ舌側矯正歯科学会/国際インプラント学会/日本口腔インプラント学会/日本歯科審美学会/日本歯周病学会/日本臨床歯周病学会/日本補綴歯科学会/日本口腔外科学会/日本アンチエイジング歯科学会

ご挨拶

誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。

歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。

医療法人社団ピュアスマイル 理事長 湊 寛明