周囲に気づかれることなく、歯並びを整えることができるマウスピース矯正「インビザライン」を行っている歯科医院・クリニックが増えてきています。インビザラインでは、従来のワイヤー矯正とは違う知識や経験、技術が求められます。
例えばインビザラインの実績が少ない先生の場合、治療計画や治療結果が計画と異なる可能性があります。つまり矯正認定医であっても、インビザラインの知識や技術を持ち合わせていない先生は、治療を行うことは難しいのです。
そこで当記事では、インビザライン認定医はなぜ必要なのか、またその具体的な探し方について、詳しく解説します。これからインビザラインを検討されている方は、是非参考にして下さい。
この記事でわかること
1. インビザライン認定医とは?
インビザラインを取り入れている歯科医院やクリニックは多数あります。その中で「どこで治療をしたらいいの?」と選ぶポイントの一つが、「インビザライン認定医」です。ここでは、インビザライン認定医について解説します。
1-1. インビザライン認定医について
インビザライン認定医とは、日本矯正歯科学会が定めるものです。その技術力は、年間のインビザライン症例数によって認定される「プロバイダー」という制度によって裏付けられています。インビザライン認定医は実績が豊富なので、高いレベルの歯列矯正治療を行うことができます。
1-2. インビザラインドクターとは
1-2-1. インビザドクターの認定基準
インビザラインの知識や技術を有した専門医を、インビザドクターといいます。その認定基準は、インビザラインの治療経験数が「50症例以上」になります。
1-2-2. インビザドクターのランクについて
またその中にはランクがあり、「インビザスーパードクター」「インビザゴールドドクター」「インビザプラチナドクター」となっています。詳細を、以下に記します。
①インビザスーパードクター…インビザライン治療経験数50症例以上。インビザライン矯正において確実な治療計画を立てるために必要な経験値がある
②インビザゴールドドクター…インビザライン治療数100症例以上。より的確な治療が行える経験値がある
③インビザプラチナドクター…インビザライン治療数500症例以上。さらにプロフェッショナルな治療が行える経験値がある
1-2-3. インビザドクターはワイヤー矯正もする
インビザドクターは、ワイヤー矯正も裏側矯正も行います。つまり、患者さんの歯並びを矯正するためにはどの治療方法がベストなのかを判断します。インビザドクターは数多くの症例を行ってきたので、その見極めが可能になります。
1-3. インビザラインプロバイダーとは
インビザラインプロバイダーとは、年間のインビザラインの症例数に応じて認定されるアライン社独自のドクターのステータスランクのことです。原則は、矯正歯科医個人に対するステータスランクです。しかし現実には矯正歯科医個人ではなく、特定の矯正歯科医院グループ全体のステータスランクのことがあります。
症例数は、1年ごとにリセットされます。上位から「ダイヤモンドプロバイダー」「プラチナプロバイダー」「ゴールドプロバイダー」「シルバープロバイダー」「ブロンズプロバイダー」の順になっています。
2. インビザライン矯正は認定医を選ぶべき理由
ここでは、インビザラインで歯の矯正治療をする場合、なぜ認定医を選ぶべきなのかについて解説します。
2-1. 矯正治療の専門医とは
日本の矯正治療では、日本矯正歯科学会が定める認定医制度があります。その条件を、以下に記します。
①5年以上日本矯正歯科学会の会員であること
②学会指導医の下で、さらに5年以上矯正歯科に専門的に従事すること
③学会誌にオリジナル論文を発表すること
④学会の定める試験に合格すること
上記の点をすべて満たすと、学会認定医として資格証が交付されます。そして公式に矯正歯科医として、自分の判断で治療することができるようになります。ちなみに「私は矯正の専門医です」という言い方は、「矯正だけ診療している歯科医師です」という意味です。「日本矯正歯科学会臨床指導医である」という意味ではないので、注意が必要です。
多くの矯正歯科専門の開業医院は、待合室に資格証が掲示してあります。担当医の資格がわからない時には、聞いてみましょう。
2-2. インビザライン矯正には独自の技術が求められる
インビザラインによる矯正治療では、従来のワイヤー矯正とは違う知識や技術が求められます。具体的には、3Dテクノロジーで製作されるマウスピースを使用します。これは、口腔内の3Dデータを用いて完成形をシミュレーションすることで治療計画を立て、歯を動かしていく矯正方法です。
しかし計画通りに歯が動かないこともあり、その場合には経験豊富なドクターの治療計画の修正が求められます。このように、矯正認定医でもインビザラインの知識や技術を持ち合わせていない先生が治療を行うことは難しいのです。
インビザラインで失敗しないためには、歯科医院・クリニック選びは最も大切な要素です。その選ぶ基準として、「インビザラインの症例数が豊富」なことと、「インビザライン認定医が在籍している」ことが必須条件といえるでしょう。
3. インビザライン認定医の選び方・探し方
ここでは、インビザライン認定医の選び方についてご紹介します。
3-1. 「認定医」「臨床指導医」のインビザドクターを探す
3-1-1. 認定医とは
日本矯正歯科学会の認定医制度では、認定医に以下のような条件を設けています。
・歯科医師免許を有する者
・歯科医師免許取得後、引き続き5年以上の学会会員である者
・学会指定研修機関における矯正歯科基本研修を修了の後、その期間を含めて、5年以上にわたり、矯正歯科臨床研修を修了した者。または、同等の学識、技術、経験を有すると判断される者
・学会の認めた刊行物に矯正歯科臨床に関連する論文を発表した者
・学会倫理規程を遵守する者
3-1-2. 臨床指導医とは
日本矯正歯科学会の臨床指導医制度(旧 専門医制度)では、 臨床指導医に以下のような条件を設けています。
・歯科医師免許を有する者
・学会認定医資格を有する者
・7年以上継続して学会会員である者
・学会の認めた刊行物あるいは学会の認めた学術集会において、矯正歯科臨床に関連する報告を発表した者
・学会倫理規定を遵守する者
3-1-3. 「認定医」「臨床指導医」のインビザドクターを探す
invisaDrのサイトでは、「認定医」「臨床指導医」のインビザドクターがいるクリニックを紹介しています。詳細はこちらから参照下さい。
3-2. インビザドクターを探す
invisaDrのサイトでは、インビザドクターを「エリア別」「特徴別」「キーワード」で検索できます。詳細はこちらから参照下さい。
4. おすすめのインビザライン認定医
日本歯科医療評価機構では、厳しい審査基準をクリアした国内有数のインビザライン技術を持った歯科医師が所属する歯科医院を「日本歯科医療評価機構 インビザライン認定医院」としてご紹介しています。
その評価基準を、以下に記します。
4-1. インビザライン認定医院7つの審査基準
4-1-1. 治療実績
概ね500症例以上の治療実績です。優れたインビザライン医になるには、一定以上の経験・実績が必要条件です。これは、最低限の足切りラインとして設けた基準です。
4-1-2. 症例
日本歯科医療評価機構所定の基準を満たすケースプレゼンテーションの提出が必要です。抜歯症例を中心とした当機構所定の基準を満たすケースプレゼンテーションを提出し、審査に通過するが必要です。
4-1-3. 医療法人としての資質
審査官との面接が必要です。インビザライン矯正の技術だけではなく、医療人としての倫理観や、患者やスタッフとの丁寧なコミュニケーションを通じて、チームとして優れた医療を提供できるかどうかを判定します。
4-1-4. 担当医
上記①~③を満たす歯科医師が、インビザライン矯正を担当するものとします。インビザライン認定医院に登録された歯科医師が、実際に治療を行います。なお、治療計画の部分のみインビザライン認定医院に登録された歯科医師が担当して治療を行う場合、準認定医院の基準を満たすものとします。
4-1-5. 設備
適切な機器が活用されているかどうかを確認します。口腔内スキャナ、セファロレントゲンを導入しているが大切です
4-1-6. 衛生管理
滅菌システムの活用についてです。高度な滅菌システムを導入、運用していることが求められます。
4-1-7. 費用
適正な治療費を設定していることが求められます。
4-2. 認定医のいる歯科医院の見つけ方について
こちらのサイトのマークがついている歯科医院に認定医が所属しています。
5. インビザライン認定医についてのまとめ
周囲に気づかれることなく、歯並びを整えることができるマウスピース矯正「インビザライン」を行っている歯科医院が増えてきています。そして、インビザラインを導入している歯科選びの基準の一つに、日本矯正歯科学会が定める「インビザライン認定医」制度があります。またインビザラインの知識や技術を有した専門医は、「インビザドクター」と呼ばれています。
歯は一生の財産であり、その口元の美しさは人の印象を決める重要な部分です。その歯並びの仕上がりを決める歯科医選びはとても重要です。
本記事では、3Dシミュレーションに代表されるインビザラインの治療の特異性と、具体的なインビザラインができる歯科医の探し方について解説してきました。是非、ご自身にピッタリな歯科医院・クリニックを見つけ、最高の治療を実現して下さい。
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監修歯科医師
湊 寛明
私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任
ご挨拶
誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。
歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。