インビザライン・ファーストとは?メリット・デメリットや特徴、矯正治療の流れや費用について解説

インビザライン・ファーストは、歯の生え変わり時期のお子さま用マウスピース矯正です。お子様の歯並びを綺麗にされたい方は、興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

歯の矯正治療は、事前にポイントを把握しておくと、安心です。また治療の具体的な流れを知っておくと、やるべきことも事前に準備できます。

本記事では、メリットやデメリット、特徴や治療の具体的な流れや費用について、詳しく解説します。

1. 歯の生え変わり時期に適したインビザライン・ファースト

まず最初に、インビザラインのお子様向けブランド、インビザライン・ファーストについて解説します。

1-1. 6~12歳のお子様が対象

インビザライン・ファーストは、米国アライン・テクノロジー社が提供する10代の子ども向けのインビザライン・システムです。成長過程にある患者様特有の歯列矯正を、サポートできるように設計されています。

1997年から独自技術の研究と改良が行われ、全国の歯科医院で治療が受けることができます。その対象は、一般的に乳歯と永久歯が混在している6~12歳のお子様です。

ただ適用条件は身体年齢ではなく、歯の年齢に基づきます。具体的には、「6歳臼歯と前歯が2/3出ている」状態になります。詳細については、歯科医院に相談しましょう。

1-2. 治療期間は約1年半

インビザライン・ファーストの治療期間は、約1年半を想定しています。マウスピース型矯正装置を一定期間ごとに交換し、歯列を育成します。

多感な成長過程でも透明のマウスピースを装着することで、目立たずに歯列矯正治療ができます。従来のインビザライン・ファーストは、永久歯列期に近い時期からしか適応できませんでした。しかし、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行う1期治療にも適応できるようになりました。

2. 子どものマウスピース矯正(インビザライン・ファースト)のメリット

ここでは、インビザライン・ファーストのメリットについて、具体的に解説します。

2-1. 目立たない透明のアライナー

インビザライン・ファーストの適応時期は、感受性が強い年頃です。だからこそ、見た目が目立ちにくく、歯列矯正治療中であることを気づかれないことはとても大事です。つまり、見た目によるお子様のストレスが軽減されます。

また治療中でも、マウスピースを気にせずお子様の写真を撮ることもできます。

2-2. 痛みが少ない

一般的に、歯列矯正治療には痛いイメージがあります。しかし、インビザライン・ファーストは痛みが少ないというメリットがあります。その理由は、マウスピース1枚につき歯が動く量が少なく、負担も少ないからです。

そのように段階的に歯を動かしながら、インビザライン・ファーストでは歯並びを矯正していきます。

2-3. 樹脂素材を使用し着け心地も追求

インビザライン・ファーストでは、独自開発の樹脂素材を使用したマウスピースを使用しています。そのため歯の移動をサポートするために力を加えながら、同時に自然な着け心地も追求できます。

またワイヤー矯正のようにケガをしたり、口内炎といったリスクもないので、安心してお子様の歯並びを綺麗にすることができます。

2-4. 飲食物の制限がない

食事をする時は、アライナーを取り外す必要があります。例えばワイヤー矯正の場合、装置への付着が起こりやすい食品を食べることは避ける必要があります。

一方インビザライン・ファーストは簡単に取り外せるので、皆と同じ食事を楽しむことができます。

2-5. スポーツや楽器も楽しめる

インビザライン・ファーストは取り外しできるため、スポーツや楽器の演奏も楽しみながら治療ができます。部活動等との両立も可能で、多感な時期の友人関係も維持することができます。

3. 子どものマウスピース矯正(インビザライン・ファースト)のデメリット

ここでは、インビザライン・ファーストのデメリットについて解説します。

3-1. 実施する適応条件がある

インビザライン・ファーストには、先述した通り年齢制限と適応条件があります。そのため、適応条件に当てはまらない場合は、インビザライン・ファーストを行うことはできません。

3-2. マウスピースの装着時間が長い

インビザライン・ファーストで矯正治療効果を得るためには、1日20~22時間マウスピースを装着する必要があります。これは、食事や歯磨きの時間以外は常に装着することになります。

例えば装着時間が短い場合、顎の拡大や歯の移動が進行しなくなる可能性があります。その結果、治療期間が長くなってしまうリスクがあります。

3-3. 紛失することがある

インビザライン ・ファーストで使用するマウスピースは、自由に取り外せます。しかし自由に取り外せるために、食事などで取り外した時に紛失することがあります。そういったトラブルを防ぐために、マウスピースを取り外す時は専用のケースで保管しましょう。

3-4. インビザライン・ファーストの失敗はある?

インビザライン ・ファーストの失敗例で多いのは、装着時間を守らないことによる治療効果の減少です。具体的には、1日20~22時間の装着をせず、歯が十分に移動しないというものです。

またお子様が虫歯になり、治療期間が延びるケースがあります。予期しない歯の動きが発生した場合、抜歯が必要になることがあります。

4. インビザライン・ファーストの特徴

インビザライン・ファーストは、歯の生え変わり時期のお子さま用マウスピース矯正です。透明で目立たず、人に気づかれにくいのが大きな特長です。1~2週間ごとに、オーダーメイドマウスピースを交換して歯並びを整えていきます。具体的な特徴を、以下に解説します。

4-1. 透明で目立たないので恥ずかしくない

外から見えるワイヤー矯正は、着けていて恥ずかしいという感じるお子様は多いようです。その恥ずかしさから、「歯の矯正治療をしたくない!」と拒絶するお子様もいらっしゃいます。一方インビザライン・ファーストの透明のマウスピースなら、着けているのがわからないので安心です。

4-2. むし歯にならず衛生的でお手入れが簡単

取り外しが簡単なのも、インビザライン・ファーストの大きな特徴です。そのため、従来通りしっかりと歯磨きもでき、虫歯の予防も可能です。しかも一定期間ごとにマウスピースを交換するので、常に清潔な状態を保つことができます。

4-3. 食べ物の制限がない

インビザライン・ファーストは、食事の時に取り外します。そのため、歯の矯正治療のために食生活を変える必要はありません。好きな食べ物を制限なしに楽しむことができます。

4-4. 遊びやスポーツの時も安心

インビザライン・ファーストのマウスピースは、薄くて滑らかな独自開発の樹脂素材で作られています。そのためフィット感が良く、クラブ活動でのスポーツや楽器演奏も問題ありません。また転倒や衝突による怪我のリスクもないので、安心です。

4-5. 歯列の拡大と配置が同時にできる

インビザライン・ファーストは、歯並びを整えながら、顎の発達をサポートします。また同時に、これから生えてくる永久歯のために必要な場所を作ります。つまり、歯列の拡大と配置を同時に行うことができます。

5. インビザライン・ファースト矯正の流れ

ここでは、実際にインビザライン・ファーストを行う流れを解説します。

5-1. カウンセリングを予約する

まず最初に、歯科医院でカウンセリングを行います。その時、独自のツールでお子様の歯並びの変化のシミュレーションを見ることもできます。そうすることで、お子様のインビザライン・ファーストの効果イメージが確認できます。この時点で気になることがある場合は、治療開始前に歯科医師に聞いておきましょう。

5-2. 精密検査を受ける

お子様が治療を希望される場合、精密検査を行います。具体的には、「口腔内検査」「レントゲン撮影」「顔や口の中の写真撮影」を行います。そして、マウスピースを作るための歯の型取りを行います。

5-3. 治療を開始する

最初のマウスピースを歯科医院で受け取る際は、実際にマウスピースを装着します。そこで、お子様の歯にマウスピースがしっかりフィットしているかどうかを確認します。またマウスピースの着脱方法やお手入れ方法、注意事項などの説明を受けます。

5-4. 定期診察を受ける

1日20~22時間の装着時間を守りながら、治療計画に沿って新しいマウスピースにつけ替えていきます。定期的に歯科医院に通院し、新しいマウスピースセットを受け取ります。

5-5. 後戻りを防ぐために保定する

歯並びが綺麗に整ったら、後戻りを防ぐために保定装置であるリテーナーを装着します。一般的にインビザライン・ファーストの保定期間は、歯列矯正治療終了後1~2年です。矯正治療時と同じように、リテーナーを1日に20時間以上装着する必要があります。

6. インビザライン・ファーストの費用について

お子様の歯並びを綺麗にしたいご両親にとって、インビザライン・ファーストの費用は気になるポイントです。「実際いくらぐらいかかるの?」と悩まれている方も多いのではないでしょうか。ここでは、費用相場と追加費用の発生について解説します。

6-1. 費用相場は、45万円~80万円

インビザライン・ファーストの矯正治療の費用相場は、45万円~80万円です。ただし、症例によっては追加費用が発生する場合もあります。追加費用が発生するかどうかは、歯科医院によって異なります。

6-2. 治療計画より期間が長くなった

インビザライン・ファーストでは、治療前に治療計画を作成します。この時に治療にかかる期間や、費用の総額も算出します。

ただし想定期間内に治療が完了しなかった場合、追加費用が発生する可能性があります。その場合、マウスピースの追加作成費用がかかる場合もあります。事前に、どんな場合にどんな追加費用がかかるのかを確認しておくことをおススメします。

6-3. マウスピースの紛失や破損

インビザライン・ファーストのマウスピースは、透明で薄い特別な樹脂でできています。例えばこのマウスピースに何らかの強い力が加わった場合、壊れてしまう可能性があります。また外食時に、外したままお店に置き忘れたりするケースも多いです。

そうならないためには、専用のケースに保管するようにしましょう。

7. インビザライン・ファースト矯正のまとめ

成長過程にある6~12歳ぐらいのお子様の歯列矯正ができるのが、インビザライン・ファーストです。マウスピース矯正のパイオニアである米国アライン・テクノロジー社が提供しており、症例も多数あります。

大きなメリットは、痛みが少ないことです。その理由は、歯が動く量が少なく、患者さんへの負担も少ないからです。そして美しい歯並びを実現するポイントは、お子様に装着時間を守ってもらうことです。

長い期間一日中マウスピースを装着することは、簡単なことではありません。それだけに、親子の協力関係がとても大切です。

できる度にお子様を褒めてあげて、是非美しい口元を実現して下さい。

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監修歯科医師

インビザライン ブラックダイヤモンドドクター インビザライン・ジャパン株式会社(旧アライン・テクノロジー社)認定 医療法人社団ピュアスマイル 理事長

湊 寛明

私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任 

ご挨拶

誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。

歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。

医療法人社団ピュアスマイル 理事長 湊 寛明