矯正治療に親知らずの抜歯は必要?タイミングは?

矯正治療を受ける前に親知らずの抜歯は必要なのでしょうか。

結論からいうと、親知らずを矯正前に必ず抜かなければならないというケースはまずありません。

当院ではこれまでに1,600人以上の患者様のマウスピース矯正治療を行なってきましたが、親知らずが歯並びに影響を及ぼしている患者様は極めてわずかです。

そのため、ほとんどの患者様が、親知らず抜歯をせずとも問題なくマウスピース矯正を終了され、歯並びの仕上がりにもご満足をいただいています。

この記事では、一般的に矯正前に親知らず抜歯が必要だと言われている理由や、親知らず抜歯をせずに矯正ができる理由について詳しく解説していきます。

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矯正治療と親知らずの基本的な知識

そもそも、親知らずとはどのような歯なのでしょうか?

親知らずとは?

親知らずは、1番前の前歯から数えて8番目に生えてくる歯です。

7番目の歯までは子どものうちに永久歯が生えそろうことがほとんどですが、親知らずは大人になってから生えてくることが多いことが「親知らず」と言われている語源です。正式には「第3大臼歯(だいきゅうし)」といいます。

上下に2本ずつ計4本あります。4本すべてが生えてくる方もいらっしゃれば、埋まったままで生涯ずっと生えてこない方もいらっしゃいます。

親知らずは抜いた方が良いと言われている理由

親知らずは、歯並び矯正をするしないに関係なく、抜いた方が良いと言われることの多い歯です。

その理由は、1番奥に生えているため、歯磨きが十分にできず、虫歯や歯周病の原因になりがちなためです。また、親知らずはほかの歯と同じように綺麗にまっすぐ生えてくるとは限らず、横向きや斜めに生えてきたりして、痛みを生じることもあります。

こうしたトラブルが起きやすいことから、親知らずは生えたままにしておくメリットよりも抜歯するメリットの方が上回ると一般的には言われています。

親知らずの抜歯がなぜ必要なのか?

一般的に、歯並び矯正をするしないに関係なく親知らずは抜いた方が良いと言われている理由は、親知らずは歯磨きがしづらく、虫歯や歯周病などのトラブルの原因になりやすいためです。

それでは、歯並び矯正において「親知らずを抜かないと矯正できない」と言われることがある理由は何なのでしょうか?

親知らずを抜かなくても矯正治療は可能

当院の矯正カウンセリングでも、「他院では『親知らずを抜かないと矯正できない』と言われた」とおっしゃる患者様は本当に多いです。親知らず抜歯についての見解は、歯科医師によって異なります。

しかしながら、本当に親知らずを必ず抜歯しないと矯正できないというケースはほとんどありません。

特に、従来のワイヤー矯正でなくマウスピース矯正であれば、少なくとも当院では、親知らずを抜歯せずに矯正できるケースがほとんどです。

ただ、歯並びによっては、親知らずを抜いた方がより良い仕上がりになるケースも稀にあります。その場合は、矯正開始前にお伝えさせていただいております。ただ、患者様全体の1割もいらっしゃいません。

親知らずを抜かなくても矯正可能な理由

なぜ、当院では親知らずを抜かなくても矯正ができるのか、理由をご説明します。

1.マウスピース矯正は親知らずを動かさなくても可能だから

従来のワイヤー矯正は、基本的に全ての歯にブラケット(歯にワイヤーを通すための装置)を付けてワイヤーを通すため、動かす必要のない親知らずまで強制的に動いてしまう可能性があります。そのため、あらかじめ親知らずを抜いておく必要がある場合があります。

その点、マウスピース矯正では動かしたい歯だけを3Dで選択して動かせます。

当院のマウスピース矯正では、7番目(親知らずの1本手前)の歯を基準点にして歯列を動かすケースがほとんどで、7番目の歯と親知らずは動かす必要がなく、他の歯と一緒に動いてしまうこともないため、親知らずがあっても影響がありません。


2.親知らずを抜かなくてもスペースが確保できるから

出っ歯を引っ込める矯正や、歯が綺麗に並ぶスペースが足りない方の矯正では、親知らずを抜いて、それによってできたスペースの分だけ、奥歯を後ろにスライドさせるように動かしていくという方法が存在します。

これを「遠心移動」といいます。遠心移動は、難易度の高い治療法と言われています。

まず、奥歯は複数本まとめて動かすことは難しく、1本ずつ順番に後ろに移動させていく必要があるため、矯正期間が長引くことが多いです。また、奥歯は前歯に比べて動きのコントロールがしづらいため、計画通りに動かなかったり、最終的なかみ合わせが合わないなどのトラブルも起こりやすくなります。

当院では、親知らずを抜歯しなくても歯を並べるための十分なスペースを確保するため、IPRという処置を行なっています。

IPRとは、歯1本1本の側面を研磨することによって歯と歯の間にすき間をつくる処置のことです。削る量は歯1本あたり0.1mm単位とごく少量ですが、複数の歯を少しずつ削ることによって、親知らずを抜歯しなくても十分なスペースが確保でき、歯列を動かすことができます。

▼IPRについて、詳しくこちらをご参照ください。

歯列矯正前の親知らずを抜歯すべきタイミング

矯正するからと言って、絶対に親知らずを抜かなくてはいけないわけではありません。矯正に影響がなければ、必ず抜く必要はありません。

ただ、親知らずは虫歯や歯周病などのトラブルの原因になりやすい歯ではあります。歯磨きやフロスなどのケアが行き届きにくいためで、矯正をする・しないにかかわらず、抜歯した方がケアはしやすくなります。

そのため、今後のお口の中の健康を考えて、矯正を機に親知らずを抜きたいと考える方は多くいらっしゃいます。

矯正では、最初の検査から実際に矯正装置を着け始めるまでに数週間~数か月の間があく場合が多いので、その準備期間中に親知らずを抜いておくと、矯正が始まる頃には腫れも落ち着いている頃でスムーズでしょう。

当院でも、最初の検査からマウスピースの装着開始までに2か月ほど期間があくため、その期間を有効活用して親知らず抜歯される患者様が多くいらっしゃいます。ただ、矯正の途中でも親知らずを抜くことは可能ですので、もし矯正開始までに抜くことができなくてもご安心ください。

親知らずを抜歯するタイミングについては、矯正するクリニックで相談してみましょう。

矯正治療中に親知らずが生えてきたら?対処法は?

矯正治療中に親知らずが生えてきても、特に痛みや気になってしまう感覚がなければ、すぐに抜歯する必要はありません。

もし生えてきたら、矯正しているクリニックで相談してみましょう。

親知らずの抜歯のメリットは?矯正治療にどう影響するのか

親知らずの抜歯のメリットは、口臭や歯周病、虫歯の予防につながることです。親知らずは1番奥に生えていて歯磨きやフロスなどのケアが行き届きにくいので、口臭や、親知らず自体やその周りの歯の歯周病、虫歯の原因となることは多々あります。

親知らずを抜くことで、ケアがしっかりと行き届くようになり、こうした病気の予防となります。

矯正治療そのものには影響しなくても、親知らずを抜くことによって歯を健康に保つことにはつながるのです。

親知らずの抜歯のデメリットは?知っておくべきリスク

親知らず抜歯の主なデメリットとしては、生え方によっては抜歯の処置が大掛かりになったり、通院が必要になったり、腫れや痛みが長引く場合もあることです。

親知らずと歯並びに与える影響

親知らずが歯並びに影響を与えることはあるのでしょうか?

結論からいうと、当院の見解としては親知らずによって歯並びが悪くなっているケースはほとんどありません。

親知らずが他の歯を押し出している?

「親知らずが他の歯を押し出してしまっているから歯並びが悪くなっている」と歯科医院で指摘されたことがあると仰る患者様は少なくありません。

親知らずが歯並びに与える影響については、歯科医師によって様々な見方があります。しかしながら、実際のところ親知らずが原因で歯並びが悪くなっているケースは極めて少ない、というのが当院の見解です。

たしかに、親知らずは他の歯よりもサイズも大きく、横向きに埋まっていたり、横向きに生えてくることもよくあります。そのため、歯科医師によっては、他の歯を押し出してしまっているという見解となることも事実です。

ただ、当院では、これまで1,600人以上の患者様のマウスピース矯正を行なってきた中で、「親知らずが歯並びを悪くしている原因」という診断になった方はほぼいらっしゃいません。親知らずが歯並びに影響を与える可能性はゼロではありませんが、極めて稀です。


矯正後に親知らずのせいで後戻りしてしまう?

矯正が終わった後に親知らずが生えてきたとしても、それが直接の原因になって歯並びが崩れてしまうというケースはまずありませんのでご安心ください。

ただ、親知らずが原因ではなくとも、矯正後は歯並びの後戻りや、加齢による歯並びの変化を防ぐために、リテーナーはしっかりと装着するようにしましょ

▼矯正後の後戻り防止のリテーナーとは?詳しくはこちら↓
https://purerio.tokyo/media/retention-device/

親知らずの抜歯と矯正治療の保険適用について

親知らずの抜歯や矯正治療は保険適用になるのか?という疑問についてお答えします。

親知らずの抜歯は保険適用になる?

親知らずの抜歯が保険適用となるかどうかは、親知らずの状態や抜歯の目的によって異なります。親知らずが虫歯になっていることがわかった場合、虫歯治療のための抜歯として保険適用になることがあります。完全に矯正のためだけの抜歯となると、自由診療となることが多いです。

費用は、保険適用の場合は1本あたり2,000~7,000円程度、自由診療の場合は15,000~30,000円程度が相場となりますが、クリニックによって幅があります。

また、麻酔代や抜歯後の通院費用など、抜歯そのものとは別でさらなる費用がかかることもありますので、事前にクリニックに確認しましょう。

親知らずがまっすぐに生えている場合は費用は比較的安く、横向きに生えていたり埋まっている場合は抜歯の難易度が高くなるため、費用も高くなります。


歯列矯正そのものは保険適用になる?

ワイヤー矯正については、先天性の疾患や顎変形症などで噛み合わせに問題が生じている場合、保険適用になることがあります。

マウスピース矯正は、基本的に保険適用外となります。

ただ、矯正治療費の負担を抑えることができる「医療費控除」という制度が利用できるクリニックも存在します。

ピュアリオ歯科のマウスピース矯正では、基本的には医療費控除が認められますので、あとから還付金をお受け取りいただき、お得に矯正していただくことが可能です。

▼医療費控除について詳しくはこちら↓
https://purerio.tokyo/media/medical-expense-deduction/

矯正治療期間の目安と親知らずの影響

親知らずを抜いたからといって、矯正の治療期間が短くなるわけではありません。
それどころか、親知らずを抜いたことによって治療期間が長引いてしまうことがあります。

なぜ親知らずを抜くと治療期間が長引くのか?

親知らずを抜いて、それによってできたスペースの分だけ奥歯を後ろに動かしていくという矯正方法があります(「遠心移動」といいます)。

遠心移動による矯正は、親知らずを抜かない場合よりも治療期間が大幅に長引くことが多々あります。

遠心移動は、奥歯をまとめて一気に後ろに動かせるわけではなく、1本ずつ順番に後ろに移動させていく必要があるため、時間がかかるのです。さらに、奥歯は前歯に比べて動きのコントロールがしづらいため、計画通りに動かなかったり、最終的なかみ合わせが合わないなどのトラブルも起こりやすくなってしまいます。

親知らずの抜歯なしで矯正ができる治療技術を確立している当院では、親知らずを抜かずに、「IPR」という処置を行なって歯並びを動かすことができます。

IPRは、歯1本1本の側面をほんの少しだけ削って歯の横幅を整えることによって歯と歯の間にすき間をつくる処置のことです。削る量は歯1本あたり0.1mm単位とごく少量ですが、複数の歯を少しずつ削ることによって、親知らずを抜かなくても十分なスペースが確保でき、出っ歯を引っ込めたり、ガタつきを治すことができます。

奥歯を1本ずつ時間をかけて後ろに動かしていく遠心移動とは違い、IPRは患者様に合わせてあくまで必要最小限のすき間をつくって効率的に歯を動かしていけるため、最短期間で治療を終えることができます。

▼IPRについて、詳しくこちらをご参照ください。

矯正治療と親知らずの影響 まとめ

「親知らずを抜かないと矯正できない」という診断を受けてお悩みの患者様は多いですが、親知らず抜歯についての診断はクリニックによって異なります。

ピュアリオ歯科のマウスピース矯正は、他院様で親知らず抜歯が必要と診断された患者様でも、抜かずに治療できることがほとんどです。

「矯正したいけれど、親知らずを抜くことに抵抗がある」「矯正にあたり親知らずの抜歯が必要なのか、よくわからない」という理由で矯正への一歩が踏み出せない方は、ぜひお気軽にピュアリオ歯科の無料カウンセリングにお越しください。

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