こんにちは。ピュアリオ歯科・矯正歯科スタッフです。
歯列矯正が終わったら矯正装置を外しますが、そのまま何も着けずに過ごしていたら、歯並びは後戻りしてしまいます。これはワイヤー矯正でもマウスピース矯正でも避けることはできないものです。
そこで、後戻りを防ぐために装着するのが「リテーナー(保定装置)」です。
しかしながら、中には「リテーナーを着けているのに後戻りしてしまった」というケースも少なくありません。
実際、後戻りにお悩みでこの記事にたどり着かれた方も多いのではないでしょうか。
この記事では、歯列矯正後に「後戻りしているかも」と気になっている方に向けて、リテーナーをつけているのになぜ後戻りしてしまうのか?対処法は?などの疑問にお答えしていきます。
この記事でわかること
リテーナーしてるのに後戻りする原因とは
矯正が終わってからしばらくの間は、歯を支える骨がまだ不安定なため、歯が動きやすい状態になっています。そのため、歯並びが後戻りをしようとすること自体は避けることはできません。
そこで、後戻り防止のために装着するのがリテーナー(保定装置)です。
▼そもそもリテーナーって何?詳しくはこちらをお読みください↓
マウスピース矯正(インビザライン)が終わった後の保定装置(リテーナー)とは?
しかしながら、リテーナーを着けていても後戻りしてしまったというケースがあります。
リテーナーを使っているのに後戻りしてしまう主な原因は、以下の5つです。
●装着時間が足りていない
●リテーナーが変形・破損している
●舌の動き、噛みしめなど口周りの癖
●頬杖・横向き寝などの習慣
●親知らずに押されている
一つ一つ見ていきましょう。
装着時間が足りていない
リテーナーを使っているのに後戻りしてしまう原因として、圧倒的に多いのが、リテーナーの装着時間・期間の不足です。
矯正で歯を動かしてからしばらくの間は、まだ歯の周りの組織が新しい位置で安定していないため、歯が動きやすくなっています。そのため、リテーナーの装着期間(=保定期間)は、矯正後の最低でも2年間が推奨されています。
ネット上には、「矯正にかかった期間と同じ期間だけリテーナーを着けていれば良い」という情報もあります。
でも実際には、矯正が2年よりも短い期間で終わったからといって、歯の周りの組織の安定するのもその分早くなるわけではありません。実際に、リテーナーを2年未満しか着けていなかったからという理由で後戻りしてしまった方が、当院にも多くご相談にいらっしゃいます。
後戻りのしやすさには個人差がありますが、やはり最低2年間の着用が必須といえます。
そして、保定期間の2年の間、リテーナーの装着時間は1日20時間以上が必要です。
中には、「寝るときだけで良い」「週に数日だけで良い」としているドクターもいるのですが、その結果、それでは装着時間が不十分で後戻りしてしまっている患者様はたくさんいらっしゃいます。
はじめから、20時間しっかりと着用することが大切です。
リテーナーの装着時間や保定期間が十分でないと、後戻りの原因になってしまいます。
リテーナーが変形・破損している
リテーナーをせっかく使っていても、リテーナーそのものが変形や破損してしまっていると、後戻りしてしまう可能性が高いです。
たとえばマウスピース型のリテーナーの場合。
リテーナーの厚みが薄かったり、ゆるめに作られていたりすると、使っているうちに変形してしまいます。
また、以下のようにリテーナーを取り扱うことも、変形や破損の原因となってしまいます。
(マウスピース型リテーナーの場合)
●頻繁に着け外しをしている
リテーナーは食事や歯磨きのときには外すものですが、何度も着け外しを繰り返していると、力が加わって変形してしまうことがあります。生活スタイルによって付け外しの回数が多くなることは仕方のないことでもありますが、奥歯側からやさしく外すようにしましょう。
●強い力でお手入れしている
リテーナーが汚れてきたとき、歯ブラシでやさしくこすってケアする程度なら問題ありませんが、強くこすったり、強い力で抑えながら磨いてしまうと、力が加わり、リテーナーの変形や割れの原因となります。
●専用ケースで保管していない
リテーナーを専用ケースで保管していないと、変形や割れの原因になります。特に外出先で外したときは、ポケットに入れたり、ティッシュに包んだりと、扱いが雑になりがちです。必ず専用ケースで保管するようにしましょう。
せっかく頑張ってリテーナーを使っていても、リテーナーそのものが変形してしまっていたら、本来の役割が果たせないため、歯並びは後戻りしてしまいます。リテーナーは大切に扱いましょう。
舌の動き、噛みしめなど口周りの癖
舌で前歯を押し出してしまう、上下の歯を強く噛みしめてしまう、歯ぎしりをしてしまう…などのお口周りの癖は、後戻りの原因となります。
そうした癖による後戻りも防げるのがリテーナーなのですが、リテーナーを外している時間に癖を続けていたら、少しずつ歯に力がかかり、後戻りしてしまうことがあります。
頬杖・横向き寝などの習慣
頬杖をついたり、横向きに寝たりなどの、顔の外からの刺激でも後戻りしてしまうことがあります。
たとえば、頬杖を頻繁についていると、内側に向けて圧力がかかるため、前歯が前に押し出されて出っ歯になってしまうなどです。
親知らずに押されている
親知らずが矯正終了後に生えてきたり、横向きに生えていたりすると、歯並びを前に押し出してしまい、出っ歯やガタつきが生じてしまうケースもあります。
リテーナーしてるのに後戻りした事例と対処法
当院へは、以前他院で矯正していた患者様が後戻りによる再矯正のためにご来院くださることがよくあります。
リテーナーをしているのに後戻りしてしまった事例として圧倒的に多いのは、リテーナーの装着時間や期間が足りていないこと、リテーナーが変形・破損していることによる後戻りです。
特に、矯正が終わってから時間が経つとともに、だんだんとリテーナーの使用がおそろかになってしまったり、変形や破損していても面倒で作り直しに行かなくなってしまう傾向にあります。
リテーナーをしているのに後戻りが気になってきた場合、どのように対処したら良いのでしょうか?
リテーナーの嵌まり具合でチェックする
なんとなく歯並びが後戻りしているような気がしていても、自分の歯並びは毎日鏡で見ているので変化が感じづらく、そもそも本当に後戻りしているかどうかがわからない、という方も多くいらっしゃいます。
後戻りしているかどうかを自分でチェックする目安の一つが、リテーナーの嵌まり具合です。
リテーナーを着けたときに痛い、きついと感じる場合、後戻りしている証拠です。
リテーナーは、矯正が終わった直後の綺麗な歯並びに合わせて作られているため、そのときの歯並びから変わってしまうと、リテーナーがきつくなってしまうのです。
保定期間中は、たった半日~1日だけリテーナーの装着をサボっただけでも、その間に歯が動いてしまうことは多々あります。
リテーナーを着けると痛い、きついどころか、そもそもリテーナーが嵌まらないという場合は、後戻りがかなり進んでいる状態です。
リテーナーを作り直す
歯並びが後戻りを始めてしまいキツくなったリテーナーを無理やり装着していると、歯や歯茎に負担がかかってしまい、危険です。
多少の後戻りであれば、リテーナーを作り直し、装着時間をしっかりと守ることでそれ以上の後戻りは防げる可能性があります。早めにクリニックに相談しましょう。
リテーナーの作り直しは、最初に矯正をしたクリニックでなくても、他院でも対応可能な場合があります。事前にクリニックに連絡をし、対応の可否や費用を確認してみましょう。
ただし、リテーナーの作り直しはあくまで後戻りがそれ以上進まないようにするための対処法です。歯並びを矯正直後の綺麗な状態に戻すことは、リテーナーの作り直しでは対応できません。
後戻りしてしまった歯並びを綺麗に治したい場合は、再矯正が必要となります。
再矯正の相談に行く
後戻りが気になってコンプレックスになってしまっている場合、矯正を再度やり直すことが可能です。
(歯や歯茎の状態によっては、できない場合もあります)
再矯正は、もともと矯正を行っていたクリニックでなくても可能なケースがほとんどです。
後戻りしてしまったことが気まずくて元のクリニックに行きづらい方や、引っ越しで元のクリニックに行けなくなってしまった方は、他のクリニックに相談してみましょう。
リテーナーしてるのに後戻りした場合の再矯正の必要性とそのプロセス
リテーナーをしているのに後戻りしてしまった場合、再矯正は必要なのでしょうか?
もちろん、あまりに大きく歯並びが後戻りしてしまい、健康やかみ合わせに影響が出てしまっているなら再矯正した方が将来的なメリットがあります。
ただし、再矯正するとなると、当然ながら新たに費用や時間がかかることになります。
そのため、再びお金と時間を使ってでも再矯正がしたいのかどうか、患者様ご自身の気持ちがなによりも大切です。
後戻りが気になって、コンプレックスになってしまっているなら再矯正した方が満足できるでしょう。
再矯正するとなると、プロセスや費用はどのようなものになるのでしょうか?
まずはクリニックに相談へ
後戻りが気になったら、まずはクリニックに相談しましょう。
もともと矯正をしていたクリニックでなくとも、他院でも後戻りによる再矯正が可能なケースがほとんどです。
当院にも、もともと他院で矯正をされていて後戻りしてしまった方が、再矯正のご相談に日々たくさんご来院されています。
まずはカウンセリングで再矯正にかかる費用や治療期間を聞いた上で、それでも再矯正がしたいかどうか検討してみましょう。
再矯正にかかる費用
再矯正にかかる費用は、どのくらい後戻りしているかによって変わってきます。
前歯のわずかなガタつきや出っ歯感をなくすだけなら、10~50万円ほどで再矯正できる可能性もあります。
全体的に歯並びが乱れてきている場合は、一から矯正するのと同じですので、70~100万円程度かかることが一般的です。
再矯正の費用が気になる場合は、まずはクリニックに行って相談してみましょう。
歯列矯正後の後戻りを防ぐ方法
せっかくリテーナーをしているのに後戻りしてしまったら、矯正にかけたお金と努力が無駄になってしまってとても残念ですよね。
では、どうしたら後戻りを防ぐことができるのでしょうか?
気をつけるべきポイントをお話しします。
リテーナーの変形・破損に注意する
せっかくリテーナーをつけていても、リテーナーそのものが変形や破損してしまっていたら、歯を固定する役割を果たせないため、後戻りしてしまいます。
マウスピース型のリテーナーの場合、下記のポイントに気をつけて変形・破損を防ぎましょう。
- 過度に何度も取り外しをしない
- 取り外しの際は奥歯側からやさしく外す
- 強い力でお手入れしない
- 専用ケースで保管する
また、そもそもリテーナーの厚みが薄かったり、ゆるめに作られていると、変形したり割れたりやすいです。
特に、噛みしめが強かったり、歯ぎしりがある方の場合は、変形しにくいように厚めで丈夫なリテーナーを作ってもらうことも対策になります。
リテーナーの装着時間・期間を守る
特に矯正が終了してからしばらくの間は、まだ歯がとても動きやすい状態です。そのため、リテーナーの装着期間は矯正が終わってから2年間、装着時間も1日20時間は必要となります。
リテーナーを半日外していただけで、歯が後戻りをはじめてしまうこともあります。装着時間と期間は必ず守りましょう。
保定期間後も使用をつづける?
保定期間の2年間が終わった後も、できれば寝ている間だけでもリテーナーを装着しつづけた方が後戻りをより確実に防ぐことができます。
歯並びは、お口周りの癖や歯茎の状態、加齢など、さまざまな要因で少しずつ動いていくためです。これは矯正をしていない方であっても同じです。
もちろん、歯並びの後戻りのしやすさには個人差がありますので、リテーナーを完全にやめてもほとんど後戻りしない方もいらっしゃいます。
しかしながら、矯正直後のきれいな歯並びをしっかりとキープしたい場合は、リテーナーとは一生付き合っていくぐらいの気持ちで装着をつづけた方が安心です。
お口周りや姿勢の癖に気をつける
舌で歯を押し出してしまう、上下の歯を強く噛みしめてしまうなどのお口周りの癖や、頬杖をついたり、横向き・うつぶせに寝るなどの姿勢の癖も、後戻りの原因となります。
特にリテーナーを外している時間は、癖が出ないように注意が必要です。
舌の動きの癖については、トレーニングで改善できる場合もありますので、ドクターにも相談してみましょう。
親知らずの抜歯を検討する
親知らずが矯正終了後に生えてきたり、横向きに生えている場合、他の歯を前に押し出してしまい、後戻りの原因となる場合があります。
親知らずの抜歯は、歯のケアがしやすくなり虫歯・歯周病が防げるというメリットもあります。親知らずが気になる場合は、早めにクリニックに相談してみましょう。
まとめ:なぜリテーナーしてるのに後戻りするの?
リテーナーをつけていても、装着時間や期間が足りなかったり、リテーナーが変形・破損していたりすると、歯並びは後戻りしてしまいます。
ただ、後戻りした歯並びは、ほとんどの場合、再矯正で綺麗にすることができます。
前回ワイヤー矯正で痛みがつらかったり、目立つのが嫌だったからという理由でなかなか再矯正に踏み切れなかった方も、今では、マウスピース矯正で痛みも少なく目立たずに再矯正することができます。
また、ワイヤー矯正後は、マウスピース型のリテーナーの装着に慣れることができず、ストレスになってサボりがちになってしまう患者様は多くいらっしゃいます。
一方、マウスピース矯正なら、矯正期間中にマウスピースを着けることが自然と習慣になるため、余計なストレスや手間を感じることなくリテーナー期間を過ごしていただける方がほとんどです。
当院では、他院さんでの矯正で後戻りしてしまった方の再矯正ももちろんお受けしています。
まずはどの程度の費用と期間がかかるのかが気になると思いますので、お気軽に無料のカウンセリングにお越しください。
監修歯科医師
湊 寛明
私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任
ご挨拶
誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。
歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。