歯の矯正費用(前歯のみ)|治療方法の種類と期間、選び方と注意点についても解説

「気になる部分だけを綺麗な歯並びにしたい」と思う方が増えています。「人は見た目が9割」という有名な言葉があります。この「メラビアンの法則」によると、71%の人が顔を重視しています。そしてその注目度は、「目」「口元」「輪郭や鼻」です。つまり、印象を良くするためには「口元」は非常に大切です。

しかし歯全体を矯正するには、費用も時間もかかります。そこで一番気になる部分だけを矯正する部分矯正の人気が高まっています。部分矯正の場合、「全体を矯正するより費用が安い」「通院頻度も少ない」といったメリットがあります。

本記事では、前歯のみの歯の矯正費用や、治療方法の種類と期間、選び方や注意点について解説します。歯が変わると印象も変わり、心の持ち方も変わります。治療を諦めていた方は、是非参考にして下さい。

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1. 前歯のみの歯の矯正費用はいくら?

部分矯正の平均的費用は、30万円から70万円です。この場合の部分矯正とは、「歯並びの乱れを整える」「追加費用なしで、満足がいくまで歯並びを改善できる」という内容です。

部分矯正には、「上の歯だけ」「下の歯だけ」「前歯だけ」と様々なパターンがあります。一般的な費用目安は、以下になります。

・上の歯だけ矯正する場合の費用…30~40万円

・下の歯だけ矯正する場合の費用…30~40万円

・前歯だけ矯正する場合の費用…35~45万円

前歯だけ矯正する場合、その費用は35~45万円です。上記の3パターンの価格は、マウスピース矯正を行った場合の目安になります。また治療するクリニックやサービス内容によって、価格は変わります。

2. 小児と成人における前歯のみの歯の矯正費用の違い

2-1. 大人と子供ではできる矯正方法は異なる

大人と子供では、できる矯正方法は異なります。成人矯正の場合、表側矯正や裏側矯正、ハーフリンガル矯正、マウスピース矯正などがあります。また小児矯正ではあごの成長を利用する方法があります。

2-2. 費用や治療期間の決まる要素とは

歯科矯正治療にかかる費用や期間は、「歯並びの状態」と「歯の動き」で異なります。例えば歯並びが悪く抜歯をする必要がある場合、抜歯費用がかかります。この場合歯の移動距離も大きくなるため、期間も長くかかります。

また歯の動き具合にも、個人差があります。人によっては、当初の治療期間より長くなることもあります。

2-3. 小児矯正の「1期治療」

小児矯正は「1期治療」と「2期治療」の二段階に分かれます。「1期治療」は、3歳~12歳くらいで、乳歯と永久歯が混在した時期に行う治療です。今の状況把握として、永久歯の大きさやスペース不足を調べます。それらを踏まえた上で、今後の予測をしながら行います。

治療のポイントとしては、子供の成長を利用して上下の顎のバランスを整えます。同時に歯並びや咬み合わせが良くなるように誘導してあげます。これを「咬合誘導」といいます。大人の矯正治療は「歯を動かす治療」ですが、小児矯正は「口の周りの骨や筋肉を整える治療」になります。

2-4. 小児矯正の「2期治療」

小児矯正の2期治療は、永久歯が生え揃った後に開始する矯正治療です。年齢的には、12歳から成人までで、「大人の矯正治療」です。具体的には、歯を1本ずつ動かし、美しい歯並びになるように矯正を行います。この場合、歯を抜いてスペースをつくることがあります。

2-5. 小児矯正は子供の歯や顎の状態で開始時期や治療期間が異なります

小児矯正の大きな特徴は、「歯並び」「咬み合わせ」「顎の大きさ」で矯正治療開始時期が変わることです。また治療期間は、1期治療・2期治療だけ矯正治療を行うのか、両方を行うのかで、治療期間が変わってきます。

■1期治療のみで矯正治療が終了する場合

1期治療の矯正開始時期の目安は、上下の前歯4本が永久歯に生え変わった時期です。年齢的には、8~9歳くらい(小学校2~3年生)です。ここで重要なポイントは、1期治療を始めて歯並びや咬み合わせが改善・安定したら矯正完了ではありません。

最終的な目標は、永久歯の歯並びと咬み合わせが良い状態になることです。そのためには、永久歯に生え変わりまで治療を行うことになります。永久歯に生え変わるのが12~13歳ですから、8歳から始めると4~5年の矯正期間がかかることになります。

■1期治療・2期治療の両方の期間で矯正治療する場合

1期治療は、「咬み合わせ」や「上下の顎のバランス」といった不正咬合の治療を行います。そのため2期治療では、「歯の傾き」や「捻じれ」の改善が必要です。具体的には、歯を1本1本動かします。矯正期間は、1期治療の4~5年+2期治療の1~2年です。イメージ的には、小学生から矯正治療をスタートし、中学生くらいまでかかります。

■2期治療以降に矯正治療する場合

2期治療では、永久歯の矯正治療を行います。例えば12歳前後で奥歯が生えかけの場合、完全に歯が生えるのを待つこともあります。2期治療の矯正期間は、2~3年前後です。顎の大きさや歯が変わることがないので、比較的スムーズに治療を進めることができます。

3. 前歯のみの歯の矯正治療方法の種類とその特徴

部分矯正は、主に「マウスピース矯正」と「ワイヤー矯正(表側/裏側矯正)」という2つの方法があります。それぞれの方法について、解説します。

3-1. マウスピース矯正について

マウスピース矯正は、透明のマウスピースを一定期間ごとに交換していくことで、歯を動かしていく矯正方法です。1日に約20時間の装着が必要です。

■メリット

・マウスピースは透明なので、装着していることが目立たない

・痛みが比較的少ない

・装着することによる口の中の違和感が少ない

・低価格で治療することが可能

・装着時間を守れば、食事や歯磨きの時には自分で取り外しができる

■デメリット

・ワイヤー矯正に比べると適応症例が少ない

・装着時間を管理する必要がある

・装着中は飲食が制限される

■治療期間/数ヶ月~1年程度

■費用相場/10~60万円

■適応症例/出っ歯、すきっ歯、八重歯、受け口、凹凸の歯並び

3-2. ワイヤー矯正(表側矯正)について

ワイヤー矯正とは、ワイヤーとブラケットを用いる一般的な矯正治療です。具体的には、歯の表面にブラケットという装置を装着します。そこにワイヤーを通し、歯に力をかけて動かす治療方法です。表側矯正では、前歯の表面に装置をつけます。

■メリット

・多くの適応症例がある

・比較的早く歯を動かすことができる

・自己管理が不要

・取り扱っているクリニックが多い

■デメリット

・ワイヤーをつけていることが目立ちやすい

・痛みや不快感を感じやすい

・食事や歯磨きがしづらい

・自分で外したり付けたりできない

・定期的に調整する必要がある

■治療期間/3ヶ月~1年程度

■費用相場/30~60万円

■適応症例/出っ歯、すきっ歯、八重歯、受け口、凸凹の歯並び、歯を動かす歯並び

3-3. ワイヤー矯正(裏側矯正)について

裏側矯正でも、部分矯正をすることができます。歯の裏側にワイヤーとブラケットを装着し、歯を動かしていく治療方法です。外見的にはわかりずらく、見た目が気になる方にはおすすめの矯正方法です。

■メリット

・多くの適応症例がある

・比較的早く歯を動かすことができる

・自己管理が不要

・装着していることが目立ちにくい

■デメリット

・費用が高額になりやすい

・対応しているクリニックが表側矯正と比較すると少ない

・痛みや不快感、話しにくさを感じやすい

・食事や歯磨きがしにくい

・自分で外したり付けたりできない

・定期的に調整する必要がある

・金属アレルギーのリスクがある

■治療期間/3ヶ月~1年程度

■費用相場/50~80万円

■適応症例/出っ歯、すきっ歯、八重歯、受け口、凸凹の歯並び、歯を動かす歯並び

4. 前歯のみ矯正治療の期間について

治療期間の把握は、治療計画には必要不可欠です。前歯のみの部分矯正の期間について、解説します。

4-1. 前歯のみの部分矯正期間の目安は3ヶ月~1年程度

前歯のみの矯正治療の期間は、その方の歯並びの状態で変わってきます。例えば歯並びが綺麗な状態の方であれば、治療期間が3ヶ月前後で済む場合があります。その理由は、歯を動かす距離が短いからです。その結果、微調整で整えることができ、短期間で治療ができます。

逆に歯並びが整っていない方の場合、治療期間が1年程度かかることがあります。この場合は歯を動かす距離が大きく、移動させるために時間がかかるからです。

4-2. 歯を動かす期間と歯を固定する期間について

部分矯正の治療期間は、「歯を動かす期間」と「移動させた歯を固定する期間」に分かれます。

■歯を動かす期間について

歯を動かす期間は、以下のような要因によって差が生じます。

・矯正装置の種類

・患者様の歯の状況

・患者様の年齢

具体的な治療期間については、初回相談の際に聞いてみましょう。

■移動させた歯を固定する期間について

動かした歯を特定の場所に固定させるための期間を、「保定期間」といいます。部分矯正で歯を動かした後に放置すると、歯は元の位置に戻ろうとします。この現象を、「歯の後戻り」といいます。

歯の治療完了後は歯が動きやすいため、リテーナーという保定装置を使用し、歯を固定します。そうすることで、後戻りをふせぐことができます。保定期間は、通常1~2年です。この保定期間も治療期間の一部と考える必要があります。

5. 前歯のみ部分矯正治療のメリットとデメリット

5-1. メリットについて

1、全部矯正より安い費用でできる

歯の全体を矯正する場合と比べると、前歯のみの矯正は費用を安く抑えることができます。一般的な費用は、30~80万円です。ただし、お口の中の状態や治療方法によっても異なります。

2、全顎矯正の約半分の期間で矯正ができる

前歯は奥歯に比べると根元が短く、動かしやすいという性質があります。そのため、短期間での矯正が可能です。具体的には、全顎矯正の場合1年半~2年半前後かかりますが、前歯の矯正は半年~1年前後です。つまり、全顎矯正の約半分の期間で矯正することができます。

3、気になる部分に限定して矯正できる

「一番目の前歯のすきっ歯だけを矯正したい」といった場合、前歯の部分矯正は費用も安く、通院期間も短いのでリーズナブル治療になります。また前歯で1本だけ引っ込んでいるような場合も同様です。

5-2. デメリットについて

1、前歯のみの部分矯正の症例が少ない

部分矯正で治せる症例としては、「出っ歯」「八重歯」「すきっ歯」「軽度の乱ぐい歯」などがあります。このように、全ての歯列不正に対応しているわけではありません。また部分矯正は、「軽度で抜歯・外科手術の必要がない」という条件を満たす必要があります。

2、全体の噛み合わせを治すことはできない

前歯のみのような部分矯正は全体矯正とは異なり、全体の噛み合わせを治すことはできません。前歯の部分矯正の場合は、見た目を改善し、印象を良くするという目的があります。

3、歯を削る場合がある

意外と知られていないのですが、矯正治療で歯を削ることは結構あります。矯正歯科で歯を削ることを、「ストリッピング」「IPR(interproximal enamel reduction)」といい、歯の大きさのアンバランスを解消できます。ただこの場合、虫歯のようにガツガツ削るのではなく、歯の横側を少し削る程度です。ちなみにこの場合は、歯のエナメル層の表層しか削らないので、痛みを感じることはありません。

4、Eラインや口元のシルエットを変えれない

部分矯正は、軽度の症例に適した治療法です。軽度の出っ歯や受け口などには適していますが、大幅にEラインや口元のシルエットを変えることはできません。

6. 歯の矯正治療の選び方

ここでは、歯の矯正治療の選ぶポイントについて、解説します。

6-1. 矯正歯科治療は、どこで受けるのがいい?

治療先を選ぶ目安の一つは、「矯正歯科専門開業医」の存在です。その理由は、矯正歯科専門開業医は大学病院などで矯正歯科治療の研鑽を積んでいるからです。やはり豊富な経験を保有している点は、技術的な安心感につながります。

6-2. 一般歯科と矯正歯科の両方が診療科目にある場合

例えば、一般歯科と矯正歯科の両方を診療科目として掲げている場合、矯正歯科治療を専門にしている歯科医が常勤しているかどうかが大きなポイントになります。常勤がポイントの理由は、大学病院から決まった曜日だけ矯正歯科医が派遣されているケースもあるからです。

7. 前歯のみの歯の矯正費用と注意点まとめ

いかがだったでしょうか。

前歯だけの部分矯正は費用も35~45万円と比較的高額ではなく、通院期間も短いので、金額的負担もスケジュール負担も軽く済みます。

そして何より、出っ歯やすきっ歯などを治すことで、外見の印象が良くなる大きなメリットがあります。そうなることで、気持ちも晴れやかになり、性格が明るくなる方もいらっしゃいます。

ただ歯の部分矯正は、大切な体の一部に手を加えるだけに、豊富な経験に裏付けされた安心できる技術力が必要不可欠です。診療所やクリニックを選ぶ際は、矯正歯科専門医を確認しましょう。

日本では、歯科医であれば誰でも矯正歯科の看板が掲げられます。そのため、矯正歯科治療を専門としている歯科医が常勤しているクリニックを選ぶのが、おススメです。

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