「インビザラインはやらなきゃよかった?」その理由と成功へのポイントとは

インビザライン治療の実情と後悔

インビザライン治療は、透明で目立たないことから多くの方に選ばれていますが、治療期間や効果について不安を感じる方も少なくありません。

「やらなきゃよかった」と感じる方もいますが、インビザライン自体に問題があるわけではなく、重要なのは失敗しないためのクリニック選びです。

そこで本記事では、インビザライン治療の実情を理解し、最適なクリニックを選ぶポイントについて解説します。

インビザラインの治療期間はどのくらい?

一般的にインビザライン治療の期間は、軽度のケースで半年から1年、中等度で1年半から2年、難症例では2年以上かかることもあります。ただし、患者様の歯並びの状態やマウスピースの装着状況により大きく異なることがあります。

また、1日20時間以上の装着が必要です。これを守らないと計画通りに進まず、治療が長引く原因になります。そのため、1日20時間以上のマウスピース装着が守れない方は、思うように歯が動かず治療期間が長引くことがあります。

そんな時、「インビザラインやらなきゃよかった」と思う方もいるかもしれません。これは「取り外しができる」というマウスピース矯正のメリットがデメリットになってしまうケースにあたります。

治療中の痛みはつらい?

インビザラインは、ワイヤー矯正と比べて痛みが少ないとされていますが、全く痛みがないわけではありません。

マウスピースを新しいものに交換する際、歯にかかる圧力で痛みを感じることがあります。この痛みや違和感は通常2~3日で治まりますが、個人差があります。

そのため、ワイヤー矯正をしたことがない方の中には「マウスピース矯正=痛い、つらい」と感じる方もいるかもしれません。ただ、ワイヤー矯正と比べた場合、痛みや違和感が少ないというのはインビザラインのメリットです。

また、食事の際にマウスピースを外す必要があるため、慣れるまで不便に感じる方もいます。しかし、時間が経つにつれて装着や取り外しに慣れてくる方が多いようです。

失敗の原因:インビザラインは本当におすすめしないのか?

「インビザラインはおすすめしない」と感じる方もいますが、失敗の多くはクリニック選びや自己管理不足に原因があります。以下の2つが大きな失敗原因です。

患者自身の管理不足
装着時間をしっかり守らない場合、歯が計画通りに動かず、治療が遅れたり思うような結果が得られないことがあります。

歯科医師の経験不足
インビザライン治療は、ワイヤー矯正と違い比較的新しい矯正法です。そのため、十分な経験と技術力を持った歯科医師が少ないのが現状です。しっかりとした経験と技術を持ったクリニックを選ぶことが、失敗を回避するために欠かせません。

出っ歯改善は果たして成功するのか?

出っ歯からの脱却:インビザラインの効果とは

出っ歯(上顎前突)の改善にもインビザラインは効果的です。アライナーが前歯を後退させることで、出っ歯を徐々に矯正します。

しかし、重度の出っ歯や骨格的要因が大きい場合、インビザラインだけでの治療が難しいこともあります。このようなケースでは、外科的治療との併用が効果的です。

軽度の出っ歯の場合、多くの患者様がインビザラインによる治療で成功していますが、装着時間が守られなかったり、治療計画が不十分な場合には、結果が満足いかないこともあります。繰り返しとなりますが、インビザラインの失敗を回避するには、1日20時間以上のマウスピースの装着時間を守ることに加え、経験と技術を持ったクリニックを選ぶことが大切です。

マウスピースの管理とトラブルシューティング

マウスピースを装着する時間と注意点

インビザライン治療の成功には、1日20時間以上の装着が不可欠です。食事や歯磨きの際以外は装着し、毎日の装着時間をしっかり管理しましょう。装着時間が短いと、治療が計画通りに進まなくなります。 

虫歯や歯周病のリスクをどう対処するか

マウスピース装着中は、食べ物のカスが歯に残りやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。毎回の食事後には歯をしっかり磨き、口内を清潔に保つことが重要です。また、定期的な歯科検診やクリーニングを受けて予防に努めましょう。 

メンテナンスの重要性:1日の歯磨き法

インビザライン治療中は、口腔ケアが特に重要です。毎日の歯磨きとフロスを徹底し、アライナーもぬるま湯で洗浄して清潔に保ちましょう。専用のクリーナーを使用することで、より効果的に清潔に保てます。

インビザライン矯正に潜むデメリット

ワイヤー矯正とどっちがいいのか?

インビザラインとワイヤー矯正にはそれぞれメリットがあります。インビザラインは目立たず、装着が取り外し可能である一方、重度の不正咬合や骨格的な問題にはワイヤー矯正の方が適している場合もあります。どちらが自分に最適かは、クリニックでしっかりと相談し、自身の状況に合った選択をすることが大切です。

 治療期間中の心理的影響と悩み

インビザライン治療は長期間にわたることが多いため、治療中に心理的なストレスを感じる方もいます。特に、治療の進行が遅く感じる時や、期待通りの結果が見えない場合に不安を感じることがあります。

ピュアリオ歯科では、治療開始から4か月から半年に一度の経過観察を行い、歯の動きが治療計画通りに進んでいるか確認し、必要に応じて治療計画の見直しを行っています。そのため、定期的に歯科医師に矯正の進み具合や不安なことを相談することが可能です。また、LINEコンシュルジュサービスでご不安なことはいつでもご相談いただけます。

また、インビザライン治療では、治療計画と実際の矯正の進み具合に誤差が生じます。1枚あたりのマウスピースでの誤差が仮に3%生じると、30枚のマウスピースで合計60%以上の誤差が出ることも考えられます。

こうした誤差を前提にした計画を立てているか、誤差の修正を定期的に行ってくれるか確認すると、失敗のリスクを減らすことができるでしょう。

成功するインビザライン治療のクリニック選び

症例数だけでなく、治療完了数を公開しているクリニックを選ぶ

インビザライン治療を成功させるためには、信頼できる歯科医師を選ぶことが重要です。治療経験が豊富なクリニックを選ぶ際の参考として、インビザラインから与えられるプロバイダースターのランク(レッドダイヤモンドプロバイダーなど)がありますが、これには治療途中の患者様の数も含まれるため、ステータスだけでクリニック技術力を証明するわけではありません。

そのため、症例数だけでなく、何件の治療が完了しているかを公開しているクリニックを選ぶと良いでしょう。治療完了数を公開しているクリニックであれば、より信頼性が高いと言えます。

治療完了後の口コミが多いか

口コミはクリニック選びの参考になります。特に治療を完了した患者からの満足度の高い口コミが多いかどうかを確認しましょう。治療開始直後や進行中の口コミだけでは、最終的な満足度を判断しづらいこともあります。

中には「応援の意味を込めて★5個をつけてください」と契約時に患者に依頼するクリニックもあるようです。口コミの評価や数だけではなく、治療が完了した患者の満足度を確認すると良いでしょう。

治療計画に誤差が出ることを前提にしているか

1クールで30枚以上のマウスピースが必要な場合、治療計画が適切かどうか確認しましょう。マウスピース矯正は、治療計画と実際の歯の動きに誤差が生じることが一般的で、適切な調整が必要です。

誤差が生じた際、定期的に治療計画を見直し、リカバリーしてくれるクリニックを選びましょう。誤差を前提にした計画を持っているかどうかを確認し、経過観察の頻度もチェックすることをお勧めします。

インビザラインの理想と現実

患者が抱く理想と現実 

インビザライン治療において、理想と現実のバランスを理解することが重要です。理想の結果が得られることも多いですが、場合によっては期待通りの結果が得られないこともあります。

治療前の情報収集(医院のホームページや口コミ)や実際のカウンセリングで、インビザラインの症例数や完了率を確認することをお勧めします。完了後の患者の満足度が高いかを確認しましょう。

症例数

治療途中も含まれる患者数

治療完了数

治療完了した患者数

治療過程のシミュレーションと結果

インビザライン治療では、事前に3Dシミュレーションを行い、治療後の歯並びを予測します。ただし、シミュレーション通りに歯が動かない場合もあるため、その点を理解しておくことが大切です。

1日20時間以上の装着と適切な治療計画を実施することで、より良い結果を期待できます。
以下のチェックリストに沿って、クリニックを確認すると良いでしょう。

  • 治療計画に誤差を前提にしているか
  • 1クールのマウスピースが20枚以下か
  • 誤差が生じた際のリカバリー策があるか
  • 4か月~半年に1度ドクターが直接チェックしてくれるか

まとめ
「インビザラインやらなきゃよかった」と後悔しないために

インビザライン治療は、信頼できるクリニックを選べば、多くの方にとって素晴らしい選択肢となります。しかし、クリニック選びを間違えてしまうと、長い治療期間がかかり、中には不要な抜歯をされることもあります。結果として治療が終わらず、後悔することもありえます。

「インビザラインをやらなきゃよかった」と後悔しないためにも、本記事で紹介した失敗を回避し、成功するためのクリニック選びのポイントをご参考にしていただければ幸いです。

監修歯科医師

インビザライン ブラックダイヤモンドドクター インビザライン・ジャパン株式会社(旧アライン・テクノロジー社)認定 医療法人社団ピュアスマイル 理事長

湊 寛明

私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任 日本矯正歯科学会日本成人矯正歯科学会/日本舌側矯正歯科学会/世界舌側矯正歯科学会/ヨーロッパ舌側矯正歯科学会/国際インプラント学会/日本口腔インプラント学会/日本歯科審美学会/日本歯周病学会/日本臨床歯周病学会/日本補綴歯科学会/日本口腔外科学会/日本アンチエイジング歯科学会

ご挨拶

誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。

歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。

医療法人社団ピュアスマイル 理事長 湊 寛明