前歯の矯正が自分でできる方法とは?セルフケアのデメリット・リスクや部分矯正治療について解説

こんにちは。ピュアリオ歯科・矯正歯科スタッフです。

「前歯が少し出っ歯なだけだから…」
「気になっているのは前歯2本だけだから…」

歯並びで悩んではいるものの、「前歯だけなのだから、高いお金をかけてまで矯正するのはちょっと…」という方は、「自分でなんとか治すことはできないか?」と一度は考えたことがあるかもしれません。

ネットで「自分で歯並びを治す方法」を検索して、この記事にたどり着いた方も多いのではないでしょうか。

この記事では、前歯を自分で矯正することが可能なのか?安全なのか?について解説します。さらに、前歯の部分矯正について、適用できるケースやメリット・デメリットをお話しします。

この記事が、前歯の歯並びでお悩みの方の一助となりましたら幸いです。

自分で前歯の矯正ができるのか

自分で前歯の矯正ができるのか

結論からお話しすると、自分で前歯の矯正をすることはほぼ不可能であり、大変危険です。

「毎日指で押していたら、出っ歯が引っ込むのではないか」と思っても、歯はそう簡単に動くものではありません。

また、歯や歯の周りの骨を傷めてしまい、取り返しがつかなくなってしまうリスクもあります。

それはなぜでしょうか?

1日数時間押した程度では歯は動かない

歯並び矯正では、ワイヤー矯正なら1日24時間、マウスピース矯正では1日20時間以上、装置を着けている必要があります。さらに、それを1年~5年ほど続けることによって、やっと歯並びが綺麗になっていくのです。

これは、歯は長い時間持続的に力をかけ続けないと動かないためです。

1日数分程度、がんばって数時間程度、自分で歯を押しただけで簡単に動くようなものではありません。

歯科矯正でさえ、熟練の先生でないと失敗する

歯には根っこ(歯根といいます)があり、根っこの周りにはそれを支える骨(歯槽骨といいます)があります。

歯医者で行っている矯正でさえも、熟練の先生がしっかりと患者さまの歯根や歯槽骨の状態を診て、歯1本1本の状態に合わせた歯の動かし方を考えた上で力をかけることで初めて歯が動いてくれます。

先生の技術や経験が不十分だと、歯への力のかけ方を誤ってしまい、歯が動かなかったり、思わぬ方向に動いてしまったり、歯根が飛び出してしまうなどの失敗につながることが多々あります。

専門知識をもっていない患者さまが自分で歯を押してしまうことは、骨や歯根に負担をかけ、最悪の場合は歯が抜けてしまう可能性もあり、非常にリスクが大きな行為です。

最近では、「自分が矯正するとしたらいくらかかるのか?どれぐらいの期間がかかるのか?」を無料のカウンセリングで診断してくれる歯医者もたくさんあります。

無理に自分で歯並びを治そうとせず、まずは必ず歯医者に相談してみましょう。

自分でできる前歯矯正のセルフケア方法

ネット上には、自分で前歯を矯正できるセルフケア方法として、「指で押す」「割り箸を噛む」などの情報も一部みられます。

しかしながら、こうした方法ではまず歯が動かないばかりか、歯の根っこや歯を支える骨に余分な力をかけてしまい、最悪の場合、歯が抜けてしまうリスクもあり、大変危険です。

一方で、自分でできるセルフケア方法として、有効なものもあります。

癖を直すことで歯並びの悪化が防げることも

前歯のガタつきや出っ歯が気になっている方の中には、日常のお口周りの癖が原因になっているケースもあります。

たとえば、下記のような癖です。

  • 舌で歯を押してしまっている
  • 歯ぎしり、食いしばりが強い
  • 頬杖をつく
  • 横向きやうつ伏せで寝ている


こうした癖が原因でだんだんと歯が押されてしまい、歯並びが乱れてしまっている方の場合、癖を改善することで、それ以上歯並びが悪くなるのを防ぐことはできます。

ただ、あくまでそれ以上の悪化を防げるというだけで、すでに乱れてしまった歯並びがもとに戻るわけではありません。

歯並びを綺麗にするためには、やはり歯科での矯正が必要となります。

自宅にいながら矯正できるマウスピース矯正

中には、「こまめに歯医者に通うのが面倒だから」という理由で自分で歯並びを治せないか考えている方もいらっしゃいます。

たしかに、矯正するとなると、頻繁に歯医者に通わなくてはいけないイメージがありますよね。

実際に、よく知られているワイヤー矯正では、毎月ワイヤーの交換で歯医者に通わなくてはなりません。面倒になって、途中でやめてしまうという患者さまもいらっしゃいます。

しかしながら、最近よく聞くマウスピース矯正は、ワイヤー矯正に比べて通院回数が少なめです。毎月通わなくとも、普段は自宅でマウスピースを交換するだけでよく、通院は数か月に1回程度でOKというクリニックもあります。

また、矯正にかかる期間もワイヤー矯正よりも短めです。

通院が面倒だからという理由で自分で矯正したいと考えていた方には、おすすめの矯正方法です。

自分で前歯矯正をするデメリットとリスク

前歯だけだからといって、歯医者にかからずに、自分で矯正しようとすることは大変危険です。

自分で歯を動かそうとすると、どんなデメリットやリスクがあるのか説明します。

歯が抜けたり、神経を傷めてしまう危険も

自分で歯を押したり、割り箸や棒を噛んだりして歯並びを治そうとすると、歯が動かないばかりか、歯や骨にダメージを与えてしまいます。

最悪の場合、歯が抜けてしまったり、神経を傷めてしまうことも十分にありえます。

歯科医が行う矯正でさえも、先生の技術や経験不足によって力のかけ方を間違えると、取り返しのつかない失敗につながってしまうこともあるほどです。

素人判断で歯に力をかけることは絶対にやめましょう。

部分矯正治療とは?

前歯だけが気になっている場合、部分矯正ができる場合もあります。

通常の歯並び矯正は、歯並び全体を動かして歯並びとかみ合わせを整えていくのに対して、部分矯正は、気になる歯だけを動かして整えていく矯正方法です。

部分矯正が適用できる歯並びは少ない

部分矯正は費用が安く済むので、希望される患者さまは多くいらっしゃいます。

しかしながら、部分矯正が適用できるのは、ごく軽度な一部の歯並びに限られます。

その理由は、患者さま自身が気になっているのは前歯2本だけだったとしても、その前歯2本を引っ込めるためには他の歯を動かしてスペースをつくってあげる必要があったり、前歯2本を動かすことによって全体のかみ合わせも変わってしまう場合があるためです。

安さを売りにした部分矯正の広告に惹かれて歯医者に相談に行ったけれど、「部分矯正は適用外」と言われてしまい、全体矯正を勧められたというケースが圧倒的に多いのが実情です。

前歯の部分矯正治療のメリット・デメリット

前歯だけを治したい場合、ごく軽度であれば、部分矯正が適用できる場合もあります。

では、部分矯正には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

【メリット①】費用が安く済む

部分矯正の最大のメリットは、やはり費用が安く済むというところです。

全体矯正の相場は60万〜120万円前後なのに対して、部分矯正なら10万円程度~でできる場合もあります。

【メリット②】矯正期間が短い

全体矯正の場合、治療期間は最低でも1〜2年程度、重度な歯並びなら3年以上かかります。

部分矯正は、そもそもごく軽度な歯並びの方が対象なため、動かす量が少なく、数ヶ月程度で終わるケースもあります。

【デメリット①】そもそも適用できる歯並びが少ない

部分矯正の安さに惹かれる方は多いのですが、実際に部分矯正が適用できるのは、ごく軽度な一部の歯並びの方だけです。

その理由は、たとえ患者さま自身は前歯2本を治したいだけだったとしても、その前歯2本を動かすためには他の歯も動かしてスペースをつくってあげる必要があったり、前歯2本だけを動かすことによって全体のかみ合わせが悪くなってしまう可能性があるためです。

部分矯正の安さを謳った広告をみて歯医者に相談に行っても、自分には部分矯正は適用できないと言われ、全体矯正でないと治せないと診断される患者さまの方が多いほどです。

【デメリット②】噛み合わせが悪くなるリスクがある

部分矯正は、気になっている数本程度の歯しか動かせないため、全体のかみ合わせを整えることはできません。

そればかりか、上下どちらかの数本の歯だけ動かしたことによって、むしろ上下のかみ合わせが悪くなってしまうというリスクもあります。

【デメリット③】変化が感じられないケースも多い

全体矯正を扱っておらず、安さを売りにした部分矯正をメインとしているクリニックの中には、一般的には部分矯正は適用外だと診断される患者さまに対しても、部分矯正を行ってしまっているところもあります。

しかしながら、部分矯正では動かせる歯の本数や移動量がごくわずかなため、変化をほとんど感じられずに終わってしまうケースが非常に多いです。

当院へも、他院で部分矯正を終えたものの変化が感じられなかったため、全体矯正でやり直しをしたいというご相談に来られる患者さまが多くいらっしゃいます。

これでは、いくら安いとはいえ部分矯正にかかった費用が無駄になってしまいます。はじめから全体矯正をしていた方がトータルでよっぽど安く済んだ、ということになります。

たとえ部分矯正が適用できると言われても、本当に部分矯正だけで自分の理想とする歯並びになれるのかどうかは、よく考える必要があります。

そのためには、セカンドオピニオンとして、自分の歯並びは本当に部分矯正だけで治るのか、変化がほとんど感じられなかったり、かみ合わせが悪くなってしまうリスクはないのかを、矯正の専門医に相談してみましょう。

まとめ:自分で前歯の矯正ができる?

気になっているのは前歯だけだからと言って、歯医者にかからずに自分で前歯を動かすことはほぼ不可能であり、非常に危険です。

歯は自分で押しただけで簡単に動くものではない上、歯や歯の周りの骨を傷めてしまい、取り返しがつかなくなってしまうリスクもあります。

また、前歯だけの部分矯正を考える方も多いのですが、部分矯正はごく軽度な歯並び向けのため、適用できる歯並びが少ない矯正方法です。

もし適用できたとしても、変化をほとんど感じられなかったり、かみ合わせが悪くなってしまうリスクも伴います。

自分の歯並びが部分矯正で本当に治るのかどうかは、矯正の専門医でしっかりと診てもらう必要があります。

当院は、マウスピース矯正の専門医として、部分矯正を検討中の患者さまにセカンドオピニオンとして多くご来院いただいております。

マウスピース矯正なら、通院回数が少なく、自宅にいながら矯正を進めていけるため、全体矯正であっても思ったほど手間がかからなかった、という患者さまがほとんどです。

前歯の歯並びが気になっている方は、ぜひお気軽に無料のカウンセリングにお越しください。

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監修歯科医師


6年連続 インビザライン ブラック・ダイヤモンド認定
医療法人社団ピュアスマイル 理事長 湊寛明

経歴

私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任 

ご挨拶

誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。

歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。