前歯のみといった部分矯正の値段の平均的相場は、約30万~70万円です。
全体矯正と比べると、お値段も安く治療期間も短いので、矯正治療に入りやすいのではないでしょうか。
特に出っ歯などの歯並びはコンプレックスを感じている方も多いので、関心は高いと思われます。
女性の場合、結婚式などの人生の晴れ舞台の前までに歯並びを整えたいというニーズが高いです。
また治療方法の種類としては、マウスピース矯正と表側矯正、裏側矯正があります。
本記事は、前歯矯正の値段と相場や治療の種類について、解説します。
この記事でわかること
1. 前歯矯正の値段の平均的な相場
前歯のみといった部分矯正の値段の平均的相場は、約30万~70万円です。一方奥歯から歯並び全体を矯正する全体矯正の値段の平均的相場は、約60万~170万円です。
2. 前歯矯正におすすめなマウスピース矯正の値段とその効果
前歯だけのマウスピース矯正の平均の値段は、10~40万円(税込)です。奥歯を含めたマウスピース矯正と比較すると、費用を安く抑えることができます。
マウスピースのトップブランドインビザラインでも、前歯のみの矯正治療プランであれば値段を抑えることが可能です。ただし最安値の10万円のプランの場合、軽度に限定されることが多いようです。しかもマウスピースの使用枚数は、一般的に3~4セット(上下合わせて6~8枚)です。
3. 前歯1本だけの矯正の費用
「前歯1本だけ矯正をしたい」というニーズに応えられるのが、部分矯正です。部分矯正は、種類によっても値段相場が異なります。
3-1. 表側矯正
金属性で目立ちやすいのですが、抜歯をともなう歯の移動も可能なのが、表側矯正です。費用相場は、30~60万円です。
3-2. 裏側矯正
歯の裏側に装着するので目立ちにくく、多くの症例にも対応可能なのが、裏側矯正です。費用相場は、40~70万円です。
3-3. ハーフリンガル矯正
上顎は歯の裏面に装着するので、目立ちにくいのが特徴です。費用相場は、35~65万円です。
3-4. マウスピース矯正
透明で軽く、目立ちにくく、痛みも少ないのが特徴です。費用相場は、10~40万円です。
4. 前歯矯正の特徴(メリット・デメリット)について
4-1. 前歯矯正のメリット
前歯矯正のメリットには、以下のようなポイントが挙げられます。
① 気になる前歯だけを治すことができる
② 治療期間が短期間で済む
③ 比較的痛みが少ない
④ 費用を安く抑えることができる
例えば、「下の前歯のガタガタした歯並びを整えたい」「前歯のすき間を閉じたい」のようにピンポイントで改善できます。治療期間も2ヶ月~1年程度で費用も10万~70万程度なので、手軽にコンプレックスを解消できます。
4-2. 前歯矯正のデメリット
前歯矯正のデメリットには、以下のようなポイントが挙げられます。
① 適応症例が限定される
② かみ合わせの改善効果は期待できない
③ 出っ歯になることがあり得る
④ 歯を削るケースがある
⑤ Eラインの改善は期待できない
前歯矯正で治すことができるのは、軽度の歯の乱れに限定されます。具体的には、「軽度の出っ歯」や「前歯のガタガタ」などです。
一番のポイントは、「奥歯を動かすのが難しい」ことです。そのため出っ歯が改善されなかったり、従来前に出てなかった歯が前に出る可能性があります。
そして歯のスペースを確保するために、IPRやディスキングといわれる歯を削る処置を行うことがあります。前歯矯正では抜歯を行わないので、口元に大きな変化は期待できません。そのため、Eラインの改善が見込めない可能性があります。
5. 前歯矯正の治療期間について
ここでは、前歯矯正の治療期間について解説します。
5-1. 前歯矯正期間はどのくらい?
部分矯正は、前歯だけを対象にした矯正治療プランです。歯の移動距離が短いため、前歯矯正の治療期間は数か月~1年程度です。ただし、全ての方に適用できるわけではありません。例えば、かみ合わせの治療の必要がない症状が軽い方に向いている治療です。
5-2. 裏側矯正は表側矯正よりも時間がかかる?
人によっては、「裏側矯正は時間がかかる」という話を聞いたことがあるかも知れません。結論から申し上げると、現在では裏側矯正と表側矯正(唇側矯正)の治療期間の差はあまりありません。
6. 前歯の矯正方法の種類の選び方
ここでは、前歯のみの矯正治療方法の種類と選び方について解説します。
6-1. マウスピース矯正について
マウスピース矯正は、透明で軽いマウスピースを一定期間ごとに交換し、歯を移動させる矯正方法です。
1日に、20~22時間のマウスピース装着が必要です。
6-1-1. マウスピース矯正の概要
① 治療期間/数か月~1年程度
② 費用相場/10~60万円
③ 適応症例/出っ歯、すきっ歯、八重歯、受け口、凹凸の歯並び等
6-1-2. マウスピース矯正のメリット
① 透明なので装着していることが目立たない
② ワイヤー矯正と比べると痛みが少ない
③ フィット感があり、口の中の違和感がない
④ 低価格で矯正治療ができる
⑤ 食事や歯磨きの時は自分で取り外しができる
6-1-3. マウスピース矯正のデメリット
① ワイヤー矯正と比べると、適応症例が少ない
② 1日20~22時間の装着時間を管理する必要がある
③ 装着している時は、食事は制限される
6-2. ワイアー矯正(表側矯正)について
ワイヤー矯正は、ワイヤーとブラケットを使用する一般的な矯正治療です。最も歴史が古く、症例も多数あります。歯の表面にブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して歯に力をかけて動かします。表側矯正の場合、前歯の表面にブラケットを装着します。
6-2-1. ワイアー矯正(表側矯正)の概要
① 治療期間/3か月~1年程度
② 費用相場/30~80万円
③ 適応症例/出っ歯、すきっ歯、八重歯、受け口、凹凸の歯並び、歯を動かす歯並び等
6-2-2. ワイアー矯正(表側矯正)のメリット
① 適応症例が多い
② 比較的早く歯を動かせる
③ 自己管理があまり要らない
④ 多くのクリニックが取り扱っている
6-2-3. ワイアー矯正(表側矯正)のデメリット
① ワイヤーを着けていることが目立ってしまう
② 痛みや不快感を感じやすい
③ 食事や歯磨きをしにくい
④ 自分で取り外したり、着けたりできない
⑤ 定期的に歯科医院かクリニックで調整する必要がある
6-3. ワイアー矯正(裏側矯正)について
部分矯正は、裏側矯正でもできます。裏側矯正は、歯の裏側にワイヤーとブラケットを装着し、歯を動かしていく治療方法です。装置が目立たないので、見た目が気になる方には人気の矯正方法です。
6-3-1. ワイアー矯正(裏側矯正)の概要
① 治療期間/3か月~1年程度
② 費用相場/50~80万円
③ 適応症例/出っ歯、すきっ歯、八重歯、受け口、凹凸の歯並び、歯を動かす歯並び等
6-3-2. ワイアー矯正(裏側矯正)のメリット
① 適応症例が多い
② 比較的早く歯を動かせる
③ 自己管理があまり要らない
④ 装着が目立ちにくい
6-3-3. ワイアー矯正(裏側矯正)のデメリット
① 比較的費用が高額になりやすい
② 痛みや不快感を感じやすい
③ 食事や歯磨きをしにくい
④ 自分で取り外したり、着けたりできない
⑤ 表側矯正と比べると対応しているクリニックが少ない
⑥ 定期的に歯科医院かクリニックで調整する必要がある
⑦ 金属アレルギーのリスクがある
7. 前歯矯正の値段に関するまとめ
前歯のみといった部分矯正の値段の平均的相場は、約30万~70万円です。全体矯正と比べると、お値段も安く治療期間も短いので、矯正治療に入りやすいのではないでしょうか。
特に出っ歯などの歯並びはコンプレックスを感じている方も多いので、関心は高いと思われます。女性の場合、結婚式などの人生の晴れ舞台の前までに歯並びを整えたいというニーズが高いです。
治療方法の種類としては、マウスピース矯正と表側矯正、裏側矯正があります。それぞれに特徴があり、適応範囲も異なるので、事前に理解しておく必要があります。
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監修歯科医師
湊 寛明
私立 広島学院高等学校卒業 国立 九州大学歯学部卒業・歯学学位取得 九州大学病院研修医 終了 埼玉県 オレンジ歯科クリニック 栃木県 丹野歯科医院 山口県 みなと歯科医院 副院長 大手矯正歯科グループ 院長 ピュアリオ歯科・矯正歯科 田町三田院 設立 医療法人社団ピュアスマイル設立、理事長就任
ご挨拶
誰もが憧れる白くて美しい歯で、個人の魅力を最大限に引き出し、 一生涯、歯の疾患で歯を一本も失うことのない未来を創る。
歯の見た目の美しさはもちろん、人が一生涯、長期的かつ健康に機能できるものとなるように、かみ合わせも力学的に良好な治療を考え、総合的な歯科の知識と予防的な概念で治療をしていくのが本当の矯正・矯正歯科治療です。 歯科治療は医療の中でも、医師の考え方や感性・技術、医院の設備によって結果が大きく変わる業界です。 既に神経の治療がされていたり、見た目や適合の悪い大きな被せものが入っていれば話は別ですが、美しさを手に入れるためだけに必要以上に健康な歯を削り、神経を取ってまで無理やりセラミックの被せものをする必要はありません。 患者さまの望む最大の効果を合理的で正しい考え方と治療方法で結果を出すとともに、生涯歯の健康を維持しそこから全身の健康につなげていただけることが何より大切だと思っています。 患者さまのお悩みやご要望をお聞きし、最善の結果となるよう治療をご提案いたします。